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島根県議会における主な質問(平成23年(2011年)9月定例会一般質問)

平成23年(2011年)9月定例会(一般質問)

【主な質問テーマ】

〇企業誘致の経済的効果について

〇島根県内企業の人材育成・確保について

はじめに

(かもと)

まずは、このたびの台風12号、15号で被災された皆様方に、衷心よりお見舞いを申し上げます。

企業誘致の経済的効果

(かもと)

さて、6月定例会におきまして、企業誘致の意義、重要性について一般質問をいたしました。雇用創出、地域経済活性化のみならず、地域社会の安定化、秩序の維持にまで及ぶことについて、知事からの答弁もありました。しかしながら、県民の税金を使って行う島根県の事業でございますので、費用に対し金銭的な効果がどのようにあるのかも把握していく必要があると思いますので、その点についてお伺いいたします。

島根県内に誘致されたすべての企業が納めた、過去5年間の法人二税の調定額と、その調定額が島根県内全企業が納めた調定額総額に占める割合を、年度ごとに伺います。

また、企業誘致にかかわる収入としては県の税収が上げられ、費用としては、計算が容易なものとして誘致にかかわる助成金支出、県庁職員などの人件費の費用が上げられます。ほかにも収入としては、経済波及効果による税収増、すなわち企業誘致に伴い地元の取引先が潤ったり、誘致企業の従業員の消費が地元の企業を潤わすことによる税収増もあります。本来であれば、そういった面も考慮に入れなければいけないと考えますが、ここではそうした経済波及効果による税収は伺いません。

以下の質問は、統計の存在する年度のデータの範囲でお答えください。

溝口知事の1期目のうちで年度別の収入、すなわち島根県の誘致企業の法人二税の調定額及びその従業員が納めた県民税調定額の総額は幾らでしょうか。県民税の調査が難しければ、県内の1人当たりの県民税の平均で算出した場合どうなるか、伺います。

一方で、費用につきましては、助成金等支出総額、企業誘致にかかわる県の人件費等のすべての支出総額は幾らだったか、伺います。

そして、当該年度におきまして、さきの収入から費用を引くと幾らになるかお伺いいたします。

(商工労働部長)

企業誘致の経済的効果について、3点ほど質問がございました。

まず、誘致企業が納めた過去5年間の法人二税の額と、その額が県内全企業に占める割合についてお答えします。島根県内で誘致企業が納めた過去5年間の法人二税の調定額は、平成18年度が25億7,300万円余、平成19年度が36億600万円余、平成20年度が34億2,100万円余、平成21年度が11億800万円余、平成22年度が14億800万円余でございました。この調定額が島根県内の全業種の調定額に占める割合は、それぞれ平成18年度が13%、平成19年度が18%、平成20年度が16%、平成21年度が8%、平成22年度が12%となっておりまして、リーマン・ショック直後である平成21年度を除き、大体1割強から2割弱で推移しています。

なお、誘致企業の対象業種であります製造業とソフト産業の2業種でございますが、この2業種に限っての比較になりますと、誘致企業の占める割合は過去5年において約4割から6割となっています。

次に、誘致企業が知事1期目に納めた法人二税の額と、従業員の県民税の総額並びに県が支出した助成金等の額と職員の人件費等の総額、そしてその2つの差額について、あわせてお答えをいたします。 まず、誘致企業に係る調定額でございますが、法人二税の額については先ほどお答えしたとおりであり、それに従業員の県民税を加えた総額は、平成19年度が50億900万円余、平成20年度が49億700万円余、平成21年度が23億4,600万円余、平成22年度が26億4,200万円余でございます。なお、県民税については個々での把握が困難であったことから、県民1人当たりの県民税の平均額に従業員数を乗じて求めております。

次に、企業誘致に関して県として支出した助成金や事業費、人件費の総額でございます。平成19年度が22億2,700万円余、平成20年度が26億4,000万円余、平成21年度が22億8,400万円余、平成22年度が16億6,300万円余でございます。したがって、さきに述べた法人二税と県民税との総額から支出額を差し引きますと、平成19年度が27億8,200万円余、平成20年度が22億6,600万円余、平成21年度が6,200万円余、平成22年度が9億7,900万円余であり、いずれも支出額を上回る額となっています。 なお、企業誘致による効果としては、議員からも御指摘がございましたが、経済波及効果に加え、雇用の場の確保や県内産業の高度化に大きく資するものがあり、今後も企業誘致に積極的に取り組んでまいります。

円高の影響について

(かもと)

2番目に、島根県企業の人材育成、確保の支援について伺います。 今月13日に、第178回国会における野田内閣総理大臣所信表明演説がありました。その中で、大胆な円高と空洞化対策の実施について触れられまして、野田総理は次のように述べられております。  歴史的な水準の円高は、新興国の追い上げなどもあいまって、空前の産業空洞化の危機を招いています。我が国の産業をけん引してきた輸出企業や中小企業が、正に悲鳴を上げています。このままでは、国内産業が衰退し、雇用の場が失われていくおそれがあります。(中略)  欧米やアジア各国は、国を挙げて自国に企業を誘致する立地競争を展開しています。我が国が産業の空洞化を防ぎ、国内雇用を維持していくためには、金融政策を行う日本銀行と連携し、あらゆる政策手段を講じていく必要があります。まずは、予備費や第3次補正予算を活用し、思い切って立地補助金を拡充するなどの緊急経済対策を実施します。さらに、円高メリットを活用して、日本企業による海外企業の買収や資源権益の獲得を支援します。 以上、引用を終わらせていただきます。 今後、円高や空洞化に対応した財政政策や金融政策が出てくるでしょうが、こういった緊急事態だからこそ、産業競争力の基盤中の基盤である企業の人材、育成そして確保について、腰を据えて取り組まねばならないと考えます。 そこで、伺います。 現在の円高の推移が、島根県内の企業のさまざまな業種、雇用情勢に及ぼす影響が心配です。まず、島根県として、円高の影響をどのように把握し、今後の影響についてどのようにお考えか、伺います。

(知事)

最初は、最近の円高の影響をどのように評価するのかという質問であります。 県は、年間何度か、県内の主要企業、100社程度でありますけども、業況調査を行っております。そういう形で、県内企業の活動などを把握しておるわけであります。そしてまた、県の担当職員が個別企業を訪問して、話を伺うというようなこともやっておるわけでありますが、8月に実施をしました県内企業101社の業況調査によりますと、円高の影響があると答えた企業は全体の38%でございました。5月時点よりも、製造業などでこの割合がふえておりますが、昨年10月の調査時点、昨年、円高が加速したころでありますけども、その当時は44%でございましたが、それよりは若干低いと、こういう状況であります。業種別では、電子部品製造業が67%で影響があると答えております。自動車関連製造業がそれに次ぎまして、50%で高い。つまり、日本の主要輸出企業に部品を納める県内企業などに影響が強いという傾向が出ておるわけでございます。

他方で、企業全体の売り上げの動向について見ますと、全体としては緩やかな回復の傾向にあると。一時期、自動車産業等々で震災の影響で生産が急落いたしましたけども、そういうものが回復してきてることとも関連をしてるというふうに見られるわけであります。 また、来春の新卒採用計画につきましては、採用予定の企業数、採用人数ともに前回より増加しており、現在のところ、円高が直接経営に影響を及ぼしてる企業は限定的になってるというふうに見ております。 県内企業の円高に対する関心は極めて高く、円高へどのような対応をとるべきか、模索している段階ではないかというふうに認識をしております。そこで、今後の影響でございますが、最近の円高は、欧米の財政問題などを中心に、欧米よりも日本が相対的にまだいいという市場の判断などから円高が続いておって、この状況は短時日ではなかなか変わらない可能性が高いわけでありまして、そういう意味で円高の継続が危惧されるわけであります。

県内企業におきましても、そういう状況のもとで発注元からさらにコストを下げてくれと──発注価格を下げるっていうことになるわけですが──の要請、あるいは発注元のオーダーが海外の企業に流れ、発注が減少するという状況も想定され、雇用への影響も懸念されるという状況ではないかと思います。こうした状況の中で、県内企業の対応としては、コストカットのための生産工程のさらなる効率化、部品の海外調達、海外における生産、あるいは受注を継続するため、自社製品の高付加価値化などが考えられておるという状況だと思います。県としましては円相場の動向を注視するとともに、こうした企業側の意向やどのような支援を必要としているのかなどを随時把握しながら、適宜適切な対応を講じていきたいというふうに考えております。

島根県の企業の人材育成、確保について

(かもと)

円高の推移だけでなく、国内外の競争の激化、技術革新への対応、産業の構造的変化、若年労働力の減少などの課題もあります。特に、島根県における企業の人材育成、確保についてどのような企業ニーズを把握し、また、それを踏まえて、本県の企業の人材育成、確保を取り巻く課題についてどのように認識し、今後どのように対応されるか伺います。

(知事)

次に、議員の質問は、円高だけでなく国内外競争の激化、技術革新の振興等々を考えますと、企業の人材の育成、確保ということは大事な課題だという御指摘があり、それについてどう考えるかという質問でありますが、議員の御指摘のとおりだと思います。こうした予想される厳しい経営環境のもとで、企業におきましては新たな分野への挑戦、あるいは高付加価値製品の開発、コスト競争力強化に向けた生産革新など、技術力高度化への対応が迫られております。このため企業からは、従業員の開発力、開発する力、設計する力、あるいは加工技術を行う力、あるいは生産管理能力などの向上の取り組みが大事だと、あるいは将来企業の中核となる理工系の人材を確保していくと、これも重要だという話を聞いてるわけでありまして、こうした状況を踏まえまして県としても、国内外の競争激化や技術革新の急速な展開に対応できる人材確保がますます重要になってきてるというふうに認識をしておりまして、このために県も、企業の競争力強化に資するような人材の育成、確保の対策を実施をしてきておるわけであります。例えば高度の機械加工技術、あるいは設計技術の研修を実施をすると。あるいは理工系の人材確保支援事業を通じた、学生と企業のマッチングを進めると。あるいは東部・西部の高等技術校で、ものづくり機械加工科を新設するなどの対応も行っております。

これからの問題として、海外市場や技術動向の情勢を的確に見きわめて対応できる人材が企業にとって必要になっておりますし、成長の高い分野、あるいは高い競争力が期待できる分野などに対応できる人材の育成、確保がさらに重要だというふうに考えております。引き続き、技術の動向、企業のニーズの把握に努めまして、今後とも必要とされる人材育成、確保対策の取り組みを進めていきたいというふうに考えておるところであります。

有料職業紹介業者を活用した産業人材確保推進事業について

(かもと)

また、平成18年度より実施されている、有料職業紹介業者を活用した産業人材確保推進事業について伺います。 この事業は、島根県内に事業所を有する企業が、県内では得がたい専門的・技術的人材を県外から確保する際、県が認定した民間の有料職業紹介事業者と連携してこの取り組みを支援することで、県内産業の振興を図るものであります。私は、地域で採用が難しい人材を県外から発掘するという視点で高く評価できると思います。企業誘致ならぬ人材誘致を実施し、単なる人員補充にとどまらず、企業の技術革新や経営革新、新分野開拓などの支援の場面では、大きな役割を担い得る施策だと考えます。有料職業紹介業者を活用した産業人材確保推進事業について、どのような産業、どのような人材を対象として想定しておられるのか、そして今までの実績も伺います。 そして、どのようにこの事業を評価しているのか、伺います。 今後も必要な事業だと考えますが、あわせ、これについてもお考えを伺います。

(知事)

次に、県が行っております有料職業紹介事業者を活用した産業人材確保推進事業の動向等について御質問がありました。

この支援制度は、誘致企業などあるいは県内企業などが、県が認定をします有料職業紹介事業者、リクルートエージェントとかそういう会社でありますけども、そういう民間の会社に対しまして、そうした企業が県内で確保することが難しい専門的・技術的な力を持ってる人材を紹介してほしいという依頼をします。そして、リクルート会社がそうした人材を見つけて就職が決まった場合に、成功報酬をそうした会社に払わなきゃいかんわけですけども、その2分の1を県内企業に助成をしておると。最大で100万円以下と、こういうことであります。

議員の御指摘のように、こうした、県内では得がたい専門的・技術的人材を、主に製造業、IT産業等々で見つけておるわけでありまして、これはそういう意味で大事な支援の仕組みだというふうに思っております。18年度から実施をして、これまでに生産管理や新製品の研究開発設計、オペレーション管理に携わる人など、6人の人材を確保しております。こうした支援制度は全国的にも少なく、誘致企業等が立地するに当たり、必要な人材を確保するのに有効であり、また地場企業におきましても競争力の強化につながるもんだというふうに認識をしております。東日本大震災の発生や電力供給の不足、急激な円高など、企業経営を取り巻く環境が大きく変化しておりますので、引き続き、人材確保への支援を実施をしていく考えであります。

企業の幹部候補者、技術部門の幹部候補者を対象にした在職者の能力開発について

(かもと)

先般私は、職業能力開発に取り組む島根県立東部高等技術校、西部高等技術校、公益財団法人しまね産業振興財団、さらに江津市にある通称ポリテクカレッジ島根、松江市にある通称ポリテクセンター島根を視察させていただきました。島根県が、企業や関連能力開発機関との連携を密にとりながら、企業ニーズに対応した現場力の強化と技能の継承・振興などの能力開発に真摯に取り組んでおられるところを目の当たりにいたしました。

一方で、島根県内の企業も、これからの時代要請、例えば円高、国内外競争の激化、若年労働者の減少、技術革新などの構造的変化に対応し、また勝ち抜いていかなければなりません。これらの課題に先頭に立って取り組まなければならない中小企業の後継者、企業の幹部候補者、あるいは技術部門の幹部候補者が経営的視野を広げ、経営感覚を磨き、あるいは技術革新につながる専門技術を習得したり、人脈を広げ、顧客発掘や経営革新をしたりするきっかけとなるような仕組みづくりが必要ではないでしょうか。このことが、構造的な経済環境の変化に対応する一つの手だてになると私は考えます。 そこで、中小企業の後継者、あるいは企業の幹部候補者、技術部門の幹部候補者を対象にした在職者の能力開発について、どのように考えておられるか伺います。

(知事)

次に、中小企業の後継者、あるいは企業の幹部候補者、技術部門の幹部候補者を対象にした在職者の能力開発について考え方を問うということであります。

こうした後継者、幹部候補者は、企業にとって大変大事なものであります。このために、県の高等技術校やしまね産業振興財団では、優良企業の経営者や経営改革の実績があるコンサルタント、すぐれた技術者等を講師に迎え、講義やセミナーなどの実践的な研修を実施をしております。高等技術校ですと、昨年ですと東部、西部合わせて50名ぐらいの受講者を得て、幹部候補生に対するセミナーを実施をしております。しまね産業振興財団では、例えば工場管理のマネジメントを実地で学ぶセミナーを実施をし、大体40名前後の受講者があるといったことがありますし、松江工業高等専門学校、産業技術センターと連携して、次世代技術に対応できる企業の中核技術者を養成するセミナーを実施をしております。

また、県では平成22年度から、若手経営者や後継者等を対象として人財塾と名づけたセミナーを開催して、地域産業の将来を担う次世代リーダーを育成するといったことを行っております。これらの取り組みにより、受講者の業種を超えた交流が広がり、新たな経営ビジョンの作成、生産現場の改善活動の進展など、成果が出ておるところであります。今後も、こうした後継者や幹部候補者の能力開発に取り組んでいきたいと考えておるところであります。

県内外の教育機関、企業や企業内学校への派遣について

(かもと)

また、現在、公益財団法人しまね産業振興財団を中心に、技術、経営管理などに数時間から数日に及ぶ研修、セミナーに取り組まれております。従来のニーズ把握に基づく短期の能力開発プログラムを、島根県や関係機関が用意するだけではなく、企業にみずから長期の能力開発の機会を選んでもらい、それに支援をするという視点も必要ではないでしょうか。そこで、県内企業が企業の在職者を県内外の工業高等専門学校、大学、大学院、あるいは優秀な県内外の企業や企業内学校、あるいは中小企業大学校などの公的な機関へ積極的に派遣することが必要だと考えますが、これまでどのような支援を行ってこられたのか、また今後どのような対応をしていくのかをお考えを伺います。以上でございます。御清聴ありがとうございました。

(知事)

最後の質問でありますが、御質問は、県内企業が職員の能力開発を進めるために、県外の大学あるいは県外の企業等で研修を受けたり、長期の研修ですね、そういうことを受ける、あるいは派遣をするための支援についての質問であります。 県では、こうした支援を行っておるところでございまして、新ビジネスモデル構築・連携支援事業ということでは、派遣期間が6カ月以上、2年以内でありますけども、補助率3分の2で限度額200万円の支援を行っておりまして、これまで利用企業数が11社に上っております。

また、大学やその他の公的機関への長期的な派遣につきましては、企業の中核となる人材を育てることを目的とした国の助成制度があり、周知に努めておるところであります。キャリア形成促進助成金でありますけども、専門的な訓練に関する助成、補助率3分の1、派遣期間約6カ月、社員の自発的な職業能力開発に関する助成、補助率2分の1、派遣期間9カ月といったようなものがあるわけでありまして、こうした取り組みの中から新たな取引の開始や技術移転など成果が出ているところであり、今後とも個々の企業ニーズの把握に努めながら、長期派遣への取り組みを支援していきたいというふうに考えておるところであります。以上であります。

人材育成について再質問

(かもと)

人材育成、そして確保について、ほかの事業についても言えることだと思いますが、念のため申し上げておきたいということと、お考えを、知事さんのお考え、あるいは部長さんのお考えをいただければなあと思います。

有料職業紹介の人材、これを企業の皆さんが獲得するには、ほとんどの場合、企業の皆さんの出費、ずうっと雇用をするわけですからかなりの額が、相当な覚悟が要ることだと思います。一方で、行政の立場から、先ほど知事のほうから御答弁ありましたけど、上限100万円ということですが、行政が一括で出す費用に比べると、企業の皆さんが出す金額っていうのは非常に大きい。それと、大学やあるいは中小企業大学校あるいは大学院、そういったものについても同じことが言えるというふうに思っております。

今企業の皆さん、かなり疲弊しておられて、そんな余裕はないと、現場が忙しくて、有望な職員を外に派遣するというようなことはなかなかできないというふうにおっしゃるのが常だというふうに思うんですが、しかしながら、ここが踏ん張りどころということで、やはり企業の皆さんがこういう現状の中で、それでもやっぱり将来に備えて人に対して投資をしなきゃならない、新しい技術なり新しい管理手法なりを勉強していかなきゃならないと。そういうことを考えたときに、単なる制度の周知とか、あるいはその説明、理解してもらうということだけではなくて、一歩進んで、企業さんにこの事業の、先ほど申しました2つの事業の有用性を納得してもらうということが、非常に大切なことだというふうに思っております。

ただ単に説明するだけでは、すうっと通ってしまう。結果的に数字として本当に利用ができるのか、それで効果が上がるのかという場面が、私はあるというふうに思っております。したがって、事業者の皆様にこの事業の有用性を納得してもらうこと、そのためには、それをセールスする県庁の職員の皆様、あるいは財団の皆さんが、この事業は本当に有用なんだと、将来、島根の経済にとって役に立つんだというその辺のところの理解、そして納得ですね。職員の方が、この事業を本当に信じて企業の皆さんにセールスしていくということが、私は大切だというふうに思っております。

企業の皆さんが勉強するっていうのは、何も県外に出られるだけじゃなくて、県内にも優秀な企業さん、たくさんあります。ですから、県内の企業さんに派遣するっていうこともよろしいかと思いますが、ちょっとその辺つけ加えさせていただきますけれども、その辺の2つの事業についてどのような形で職員の皆様に納得してもらう、納得しているからこそ、この事業をつくられたんだと思いますが、改めてこのことについてお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いします。

(知事)

嘉本議員のおっしゃることは大変大事な点であります。企業をどのように将来展開していくか、どういう製品をつくるか、あるいはどういう技術を活用した製品をつくるか、まさに企業のコアの部分ですね。そういう部分を経営者が判断をしなきゃいかんわけでありますが、おっしゃるように当面のことに忙しいと、そういうことを考える人を雇ったりするっていうのは難しいことが多々あるだろうなという感じがしますから、今の有料職業紹介を利用した人材の発掘と申しますか、そういう助成制度をつくったり、あるいは自分の職員を大学だとか先進企業に行かせて研修を受ける、そういう助成をしてるわけでありますが、1つは、やはり企業経営者が、そうしたものに、将来どうするかっていうことを常に考えて経営をしなきゃいかんわけですから、そういう面で、企業経営者が県の助成制度でありますとか、そういうことをよく理解をされるっていうことは大変大事なことであります。

産業振興財団は、日々そういう企業の方々と接触をしておるわけであります。企業のいろんな経営の相談にあずかる、職員のほかに嘱託などで企業経営を長年やってこられた方々も、企業に行って相談をするということでありますから、そういう機会をよく利用していって、長期的な中期的な企業展開を経営者が考えると。そのために何をするかと。やはりそういうことを推進する人がいなきゃ、経営者だけじゃできないわけでありますから、そういう事業がさらに進むよう、今申し上げたようなことをさらに強化をしてまいりますし、私なども経営者の方たちといろいろ会う機会があるわけでありまして、そういう機会にお話をするということも大事なことではないかというふうに思うわけであります。

また、例えば有料職業紹介者から人材を紹介してもらって雇うと、その人を雇うことに伴うコストっていうのは大変高くかかるわけだと、大きくかかるわけであって、それに対する県の助成が少ないということでありますが、そこは、まさにそういうコアの部分は、やはり企業経営として自分でやっていかなきゃいけませんけども、それを促進できるように県は支援してるわけでございまして、それが少ないか多いかっていう論議はあるとこでありますから、実態などもよく見ながら検討もしていきたいというふうに考えるところであります。以上であります。

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