かもと祐一オフィシャルサイト ホーム

このページの位置: Home > 活動日記-blog- > 政治・経済 > 議会 > 島根県議会における主な質問(平成23年(2011年)6月定例会一般質問)

島根県議会における主な質問(平成23年(2011年)6月定例会一般質問)

平成23年(2011年)6月定例会(一般質問)

【主な質問テーマ】

〇原子力発電所にかかわる安全安心対策について

〇今後の新エネルギーの活用のあり方にいついて

〇島根県の産業振興・雇用創出施策について

はじめに

(かもと)

おはようございます。議席番号2番嘉本祐一でございます。

先般の統一地方選挙で県民の皆様に県議会に送り込んでいただいて、初めての一般質問でございます。これから4年間、重い責任を果たすべく、力の限り努力する所存でございますので、皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

一般質問に入ります前に、東日本大震災においてとうとい命を失われた皆様方に対し、衷心より哀悼の意をささげます。また、一日も早い行方不明の方の確認と被災者の皆様方の生活再建、被災地域の復旧、復興がなされますことをお祈り申し上げます。

また、溝口知事におかれましては、先般の統一地方選挙における御当選おめでとうございます。国内外の経済情勢はまことに厳しく、また大震災がもたらした戦後未曾有の被害、それを踏まえた地域の安全・安心対策、国と地方の財政難、地域間格差、過疎、少子超高齢化等、さまざまな課題が山積する中で、県執行部と県議会の責任は重大であります。溝口知事におかれましては、議会との建設的な議論の中で、明るく新しい島根づくりに向けて努力していただきたいと存じます。

それでは、一般質問に入らせていただきます。

原子力発電所にかかわる国の安全・安心対策への評価について

(かもと)

第一に、島根原子力発電所にかかわる安全・安心対策についてであります。

3月11日に発生しました東日本大震災は、甚大な被害をもたらしました。6月20日の政府の緊急災害対策本部のまとめによりますと、死者15,467名、行方不明者7,482名、負傷者5,388名、避難者数12万4,954名、建築物被害も、全壊・半壊の建物だけでも20万602戸、その他道路、橋梁、鉄道、山がけ崩れ被害は甚大で、産業面においても、農林漁業、製造業などにおける被害は、新聞、テレビ報道などでも紹介されているところであります。内閣府の防災担当が、各県、関係府省からの被害額に関する情報提供に基づき推計したところによれば、いまだに被害の全体像が十分に把握できていない状況だということですが、東日本大震災の推計被害額約16兆9,000億円ということでございます。

今後も、国を挙げて東北地方を中心とする被害地域の復旧、復興に向けて最大限の努力をしていかなければなりません。原子力発電所の存在する島根県としても、原子力災害に備えて県民の皆様の安全を第一に確保し、県民の皆様に少しでも安心していただけるよう可能な限りの対策を講じていかなければなりません。大変大きな犠牲を伴う重い教訓ではありますが、この大災害を機に、島根県民の安全を確保していくために県が何をしなければならないかを、謙虚にしっかりと学ばなければなりません。

そこで、知事にお伺いいたします。 第一に、島根原子力発電所、国がこれまで実施してきた地震や津波などの大災害を想定した原子力発電所にかかわる安全・安心対策への県の評価を伺います。

(知事)

最初は、島根原発に対しまして国がこれまで実施してきました安全対策について県の評価を問うと、こういう質問であります。

これまで国が実施をしました対策は、大きく言いまして2つあります。3月30日に、津波に関連して緊急安全対策をとるよう電力会社に指示をいたしました。そして、6月7日に、あの放射能漏れと申しますか、非常に厳しい状況に対しまして、シビアアクシデントと呼んでるわけですけども、それに対して対策をとりなさいと、2つの指示を出したわけであります。これに対しまして、各電力会社はすぐ対応できるもの、そして計画をつくって、若干時間が要しますが対応するもの、その対策と計画をつくりまして、それを国が評価をしたわけであります。国は、いずれも各電力会社がとった対策は適切であると、こう評価をし、再稼働を国のほうは各電力会社に対し、また関係の自治体に対しても要請をしてると。直接私どもに要請が来てるわけではありません。テレビなどで一般論として経産大臣がおっしゃるとか、菅総理がおっしゃると、そういう状況であります。

私どもは、この問題につきましては、立地──実際に立地しているのは山口を除きますと13でありますけども──県の知事などとも随時意見交換をし、対応も相談をしております。その中で大体共通してありますのは、やはり津波対策につきましては、早くやらなきゃいかんものがあるということがありますし、さらに津波対策以外、津波以外の要因ですね、地震そのものの影響は一体どうであったのか。あるいは原子炉も建設の時期が違いますし、型も違いますし、いろいろあるわけでありますけども、例えば福島の1号機などは40年ぐらいたっておるわけであります。島根の1号機もほぼ同じぐらい古いわけでありまして、そうした高経年化の影響っていうのは一体どうなのかと。あるいは、福島の3号機はMOX燃料を使っておるわけですけども、MOX燃料を使うことによる影響っていうのは、どうだったのかというようなことを国に対して問うておるわけでありますけども、国のほうは、個別の問題までまだ分析が十分できない状況であります。当面、冷温停止に持っていくために全力を挙げてますし、あの近辺を子細に調査をしたりするっていうのがまだできない状況であります。そういうことが1つの問題としてあります。

それから、シビアアクシデントは、予想しないことが起こったわけでありますけども、現実に起こったわけであります。仮に現実に起こるとするとどういう対応が必要なのかという対策の指示を6月7日に出したわけであります。6月14日でございましたか、一応の報告を求めておりましたけども、例えばそういう問題につきましても、事故が起こったときに福島原発でどういうことが起こったかっていうことも、よくわからないわけですね。専門家もわからない、電力会社もわからないといったことがあるわけでありまして、状況がきちっと把握できるのかとか、あるいは職員とかもなれてないわけでありまして、そういう訓練とか対応はできてるのかと、いろんな問題があるわけであります。あるいは放射能の放出を抑える仕組み、あるいは圧力を開放する仕組み、そういうものについてどういう問題があるのか、これはまだ国のほうからも十分説明がないわけで、まだそういう状況になってないわけでありますね。したがいまして、やはり他の立地県とも大体同じ立場でありますけども、そうした問題について国がきちっと説明をしなければならない。それは県だけでなく、議会もそうでしょうし、それから県民の方々、あるいは我々のほうも専門家の意見もよく聞かなきゃいかんと、こういう状況でございますので、まだ国の対策、指示を評価するのは非常に難しい状況にあるというふうに考えております。

島根原子力発電所の安全性の評価について

(かもと)

島根原発そのものの安全性に関して、国の対応を待つもの、専門家の知見を集約、検討しなければならないものなど、多くあると考えますが、中国電力の対応で可能なもの、県独自、自治体独自の対応で可能なものは、遅滞なく、できるものから果断に実行していくことが必要です。福島第一原子力発電所事故を受けた島根原子力発電所にかかわる安全・安心対策につきましては、5月10日の全員協議会において、溝口知事、執行部のお考えを聞きました。先般の代表質問や一般質問でも同じような質問が出ておりますが、それ以降の展開や発展があることを期待しつつ、またこれからの論点を整理する上からも、改めて知事にお伺いいたします。可能な限り具体的な御答弁をお願いいたします。 今後、どのような手順で島根原子力発電所の安全性を評価していかれるのか伺います。

(知事)

それから、どのように評価の手順をとるのかということでありますが、まずその説明を受けまして、我々もよく説明を聞き、ほかの方々も説明を聞き、専門家の意見も聞き、それから一般県民、国民の方々の意見も聞き、あるいはさらに海外などの意見もよく聞いたりしなきゃいかんのじゃないでしょうか。まだそういうところのプロセスが始まっておりませんですね。しかし、そういうことを、私は慎重かつ丁寧にやっていく必要があるということを申しておるわけであります。

防災計画の課題と今後の見直しの方向性について

(かもと)

そして、島根県地域防災計画の課題と今後の見直しについての方向性について伺います。

山陰近辺の震災などで原子力災害が起こり、山陽方面、関西方面は被害がない場合、それらの地域から山陰が支援を受けることもありますし、逆に、東南海地震や南海地震などによって山陽方面、関西方面が被災した場合は、山陰が支援できる可能性もあります。防災に当たっては、山陰両県はもとより中国5県、場合によっては、さらに広域の連携が必要になるとも考えられますが、どのような検討の枠組みをお考えか伺います。

そのほか、具体的に検討しているものがあれば、スケジュールも含めて伺います。

(知事)

それから、地域防災計画の見直しについて一連の質問がありますから、順次お答えを申し上げますが、見直しにつきましては、やはり今回の原子力発電の事故に関連をしまして、現行の地域防災計画原子力災害編では対応できない問題が多々あるわけでありまして、これを検討しなきゃいかんわけであります。その上で、そのためには国がこういうことが防災対策として必要だという指針を出さなければならないわけですけども、そうしたものが正式に出てくるには時間がかかりますから、私どものほうとしては、国の防災基本計画や防災指針などの見直しを待たずに、できるものから対応をし始めてるということでございます。その点につきましても、後で申し上げます。

それから、今回の原発の事故を見ますと広域化をするわけでありまして、広域の連携をどのようにするのかということでございますが、関連の市町、鳥取県のほうも当然同じ問題意識でございましたので、3月末に一度そうした関係の市町連絡会議を持ちまして、その後、原子力防災連絡会議というのを設けて検討し始めてるということであります。

それから、中国5県の連携も必要なわけであります。知事会が5月に行われた際に、中国5県での協力、例えば避難場所とかそういう問題につきましても相談の必要が出てきますので、よろしくお願いしますということを私のほうから申し入れて、他の4県の知事さんも了解をされておるということであります。こうした枠組みを活用して、広域の連携についても説明をして対応してまいりたいというふうに考えておるところであります。

安全協定について

(かもと)

米子市、境港市、安来市、東出雲町、松江市、斐川町、出雲市、雲南市の6市2町と鳥取県、島根県が原子力防災連絡会議を設置し、6月8日に作業部会の初会合が開催されたということでございます。新聞報道によれば、福島第一原発事故を踏まえた広域避難体制の構築に向け、情報収集と課題を整理し、9月上旬までに中間報告を取りまとめることを確認したということであります。一方、中国電力と定める安全協定については、その締結の内容、進捗はまちまちであり、周辺の自治体がそれぞれに中国電力と締結する動きがあります。

知事に伺います。

安全協定といってもいろいろなものが考えられますし、地域独特の事情もあります。個別に交渉を行う場面はあると考えますが、自治体単独では、中国電力に対し十分な交渉力が発揮できないという点も考慮に入れると、統一して合意できる点については、効率的、効果的な県民の安全の確保からも、さまざまな視点を盛り込む上からも、県が中心となって周辺自治体と足並みをそろえて話し合う場をつくることが望ましいと考えますが、どのようにお考えか伺います。

(知事)

次に、安全協定でありますけども、これは関連の各自治体と、鳥取県を含めますけども、中国電力で話し合いを既にされておられます。私のほうからも、中国電力によく話をしてくださいというのを申し入れておるところでありまして、今その状況を私どもも注視をしておると。必要に応じまして、県としてもよく相談をしてまいりたいというふうに考えております。

モニタリングポストについて

(かもと)

さらに、地域で日々生活する住民の立場からすれば、それぞれの地域の放射線量の状況が心配であります。客観的な計測の必要性はもとより、住民の皆様にも少しでも安心していただくためにも、放射線量を測定する拠点モニタリングポストを、松江市だけでなく周辺自治体にできるだけ広げていくことが望ましいと考えますが、県のお考えを伺います。

(知事)

次に、放射線量の測定の拠点についての御質問がありました。島根原発の周辺では、10キロ圏内に11カ所、モニタリングポストがあります。しかしながら、福島原発の状況を見ますと、もう少し広い範囲でモニタリングは必要であるというふうに思います。周辺市町からもそうした意見は当然出ておるわけでありまして、先ほど申し上げました鳥取県、そして周辺市町との間で設置をいたしました原子力防災連絡会議などを通じまして検討し、さらに国、中国電力とも協議をしながら、モニタリング体制の充実強化について検討をしていきたいというふうに思います。このモニタリングポストも、1カ所当たり設置に1億円ぐらい、いろんな機器とかでかかるようでありますし、運転経費もかかりますから、そうした財源の手当てなどについても、どうするかという問題があるわけであります。

安全安心対策のための庁内組織の充実について

(かもと)

また、島根県は、唯一県庁所在地に原子力発電所が存在し、周辺に比較的人口の多い自治体も存在します。事故の際には大規模な人口の移動が想定されるなど、大がかりな防災対策が必要でございます。そして、安全・安心対策という広い観点からいえば、原子力安全対策に加え、洪水、土砂災害対策、テロ対策、武力攻撃事態等における対策、感染症対策など、危機管理に関連する諸課題は山積しています。また、災害や事故などが異なる場所で同時多発的に起こる場合も考えられます。 知事にお伺いいたします。 自治体と関係機関と連携し実効性のある危機管理対策を遅滞なく打ち出すには、庁内組織のさらなる充実が必要であると考えますが、お考えを伺います。

(知事)

それから、県の危機管理体制でありますが、これはこの本会議でも何度かお答えしたとおりでありますが、県庁全体といたしましては防災対策本部会議というのを設けまして、各部局でよく検討しなきゃいかん項目を洗い出して検討に入っておるわけであります。そういう中で、組織の問題につきましても、組織の強化でありますとか人員の増強の必要性なども出てまいりますから、そういうものをよく見ながら必要な体制をとっていきたいというふうにお答えしてるところであります。

今後の新エネルギーの活用のあり方について

(かもと)

原子力発電所の安全性の確保について、電力会社や関連する会社、国、自治体の責任は重く、万全の対応をしていかなければならないことはもちろんでございますが、長期的に見たときに、安全性、コスト面、環境面などを勘案したときに、新たなエネルギーも選択肢の一つとして検討していかなければならないと考えます。もちろん国のエネルギー政策の今後の動向が第一義で、明確な考えや方針を国が示す必要があります。しかし、島根県としても限られた財政、管轄範囲の中で、民間活力の利用もあわせて、地域のエネルギー活用のあり方について検討すべきと考えます。今後の自然エネルギーなどの新エネルギー活用のあり方についてのお考えを伺います。 また、現在の県の新エネルギー活用の取り組みと今後の予定、目標についてお伺いいたします。

(知事)

次に、新エネルギーの活用の問題でありますが、これも何度か申し上げておりますが、2つの側面があると。国全体として、日本のエネルギーをどのような形、どのような手段で確保していくのか、長期的な展望がなきゃいかんわけであります。それがなければ具体的な対応っていうのは出てこないわけでありまして、原発をどうするのか、自然エネルギーをどのようなテンポで開発をしていくのか、そのためには、コストがまだ高いわけでありますから研究開発などに巨額の資金を投じないとできないわけでありますけども、国がそういうことを一体どうするのか、そういうことをやはりきちっとやりませんと、かけ声だけではなかなか進まないわけであります。政府のほう、その問題を早く対応していく、それがありませんと、なかなか原発を中長期的にどうするのかという問題を解いていくことは大変難しい課題だろうと思います。

いずれにしましても、自然エネルギー、新エネルギーの普及開発ということは大変大事な課題でありますから、国がやると同時に県も、県民の方々への啓発、あるいは既に行われています太陽光発電、風力あるいは木質バイオマスなどにつきまして、啓発でありますとか、あるいは実験的な装置の導入でありますとか、あるいは研究開発などにつきましても、大学等とも連携ができればやっていくといったことを今やってるところでございます。特に木質バイオマスにつきましては、島根県は森林県でありますから、この活用などにつきましてもできるだけの努力をしてまいりたいと考えておるところであります。

(地域振興部長)

私からは、現在の県の新エネルギー活用の取り組みなどについてお答えをいたします。

県では、平成20年6月に改定をいたしました島根県地域新エネルギー導入促進計画、これは主に地球温暖化対策の観点から策定したものでございますけれども、これにより新エネルギーの導入を進めているところでございます。この計画では、本県の特性を考慮し、先ほど知事からもお答えいたしましたけれども、太陽光発電、それから風力発電、木質バイオマスの3つを、重点的に導入を図るべき新エネルギーとしているところでございます。これまで太陽光発電にかかわる補助制度の創設や、小学生を対象とした新エネルギー教室の開催、NPO法人と連携した環境イベントへの出展などの普及・啓発を行ってきたところでございます。

先ほど申し上げました導入促進計画は、平成27年度末の導入目標を掲げておりますけれども、こうした取り組みを行いましたこともあり、今のところ順調に推移してるというふうに考えております。平成22年度末におきます27年度に対する達成率は、太陽光発電が88.5%、風力発電が47.5%、バイオマス発電が49.4%などとなっております。今後は、東日本大震災を受けました国などの動向を注視しながら、普及・啓発を中心とした取り組みを進め、目標の達成に向けて努力していきたいというふうに考えております。

島根県の産業振興・雇用創出政策について

(かもと)

次に、島根県の産業振興・雇用創出政策について伺います。 産業振興といっても広範囲に及びますので、特に今回は商工関係を中心に伺います。 東日本大震災は、日本経済に広く深い打撃をもたらしています。特に震災を契機に、製造業を中心に震災リスク、電力供給リスク、顧客からの要請等を踏まえて、日本企業の海外移転への関心が強まっているようであります。外国の地方自治体等からの日本企業誘致に向けた動きも顕在化しており、政府としても注視しているところのようです。また、国内の中で拠点を分散しようという動きもあり、今回の県の補正予算案でも対応されているところであります。東日本大震災による島根県内の経済へのこれまでの、そしてこれからの影響についての御認識について伺います。

(商工労働部長)

まず、東日本大震災の県内企業への影響の認識についてでございます。 県が5月に実施した県内企業101社の業況調査によりますと、まず資材、部品、商品の入荷への影響については、震災直後に比して改善はしているものの、約半数の企業で数量の不足や納期が遅延するなどの影響が続いています。業種では、電子部品、建設、卸・小売業での影響が継続しています。

次に、売り上げへの影響についてですが、売上額が既に減少した企業が3割弱、今後減少を想定する企業が2割弱となっています。特に自動車、電子部品、飲食・宿泊業で半数を超える企業が既に減少、もしくは今後減少を想定と回答しています。一方、売り上げが増加した、今後増加を想定とする企業は、製造業を中心に約1割となっています。

次に、操業や雇用への影響についてですが、操業の停止や縮小を既に実施した企業が1割弱、従業員の解雇については、既に実施した企業はありませんが、状況によっては検討とする企業が1割弱となっています。総じて、全産業分野で経済活動が停滞したリーマン・ショック後とは異なり、売り上げが減少する傾向の企業と、震災特需等により増加傾向の企業との二極化が見られる状況です。今後においては、東日本大震災を受け、企業のリスク分散による生産拠点の見直しや事業戦略の再構築の動きが徐々に表面化するものと思われ、その状況によっては県内企業の生産活動や雇用への影響も懸念され、先行き不透明と認識しております。こうしたことから、今後の経済動向をきちんと把握し、適切に対応してまいります。

企業誘致、産業振興への意気込み

(かもと)

また、大震災に加え、世界経済及び日本経済の競争環境の激化、景気の低迷、人口、労働力人口の減少、少子超高齢化など、島根県を取り巻く状況は非常に厳しいものがあります。今月、厚生労働省が発表したところによれば、ことし3月末現在の全国の生活保護受給者数は202万2,333人で、戦後混乱期の1952年度以来、59年ぶりに200万人を突破したそうであります。そうした中で、島根県政における産業振興、雇用創出政策の位置づけ、またその中にある企業立地施策の重要度について、過去にも溝口知事は述べられておりますが、改めて知事のお考えを伺います。そして、島根県の人口は全国の約0.6%、県内総生産で言えば、平成20年実質ベースで全国の約0.5%とわずかではありますが、大震災の被災地の復旧、復興はもとより、島根県経済も日本経済の一端を担う一員として役割が期待されていると考えます。産業の振興を図る島根県知事の意気込みについてお伺いいたします。

(知事)

最後になりますが、産業振興、雇用創出政策の位置づけ、企業立地の重要度、県としての考えはどうかと。と同時に、日本全体の中で、県はどういう役割をしようとしてるのかと、2つの側面からの質問がありました。やはり少子高齢化が進み、人口が減少しておるわけであります。若い人が県外に過去において出ていかれて、それが大きな原因でありますから、やはり県内で産業を興し、雇用をふやすということが最も大事な課題だというふうに思います。そうすることによって、県民の方々の生活が安定する、あるいは家族が県外、遠くに出なくても周辺に多くおられる、それによって家族のきずなが強まる、あるいは地域社会がにぎやかになることによって地域社会がさらに温かいものと申しますか、活力のあるものになっていく、そうしたことにつながるわけでありまして、単に雇用をふやすというだけではありません。議員もお触れになったわけでありますけども、そういう経済活動、あるいは雇用の安定、雇用の増加、あるいは社会が活性化するといったことは、やはり社会問題の発生とも関連する面があるわけでございまして、そういう面で産業振興、それから雇用の確保、あるいは企業誘致というのは、もう少し広い視野で考えていかなければならないというふうに私は考えております。

それから、日本全体としての問題として言いますと、議員もお触れになったわけでありますけども、今生産拠点を分散をする、そういう動きが出始めておるように言われておりますし、私もそう感ずるわけであります。そのためには、やはり島根のような豊かな自然があり、古き文化、歴史があり、地域社会があり、住みやすいとこでありますから、そういうところに立地をされる、そしてリスク分散にも貢献をする、日本全体のいわば災害に対する脆弱性に対する対応をするという、県自身の利害を超えて、日本全体としてもそういうことが必要でございますから、そういう観点からも、島根県の立地のよさなどをPRをしていきたいと。そのための制度の優遇措置も強化をすべく議会に提案もしておりますし、我々もいろんな説明会でありますとか、島根の立地条件のよさ、あるいは住みやすさなどを、よくPRをしていきたいというふうに考えているところであります。

企業誘致の効果について

(かもと)

次に、今定例会における溝口知事の所信表明の中で、企業誘致の成果について、平成19年度以降の誘致企業の認定件数61件、総投資額は700億円弱、新規雇用計画数は1,900人を超えるとして、一定の成果が上がっているというお話がございました。県民の皆様方に説明責任を果たすためにも、その効果について、特に費用と比較してさらにもう一歩踏み込んだ具体的な説明、なぜ企業誘致が必要なのか、お伺いいたします。

(商工労働部長)

次に、企業誘致の効果についてでございます。

企業誘致がもたらすものとしては、人、物、お金の動きの活性化であり、県内経済の発展、拡大であると考えています。例えば人については、大学、高専、高校などの卒業生の就職先である技術系職場の創出や需要の多い事務職の雇用の場の拡大であり、また誘致企業からの受注による地元企業の発展や関連企業の集積によるさらなる雇用の増大、加えて、関連ビジネス客の県内への往来の増大といった効果が生まれると考えています。物については、原料の仕入れや製造品の発送により、輸送業など物流サービス業が拡大いたしますし、お金については、付加価値をもたらす企業の集積による税収の増大や従業員の給与支出などが上げられます。以上のように、地域経済の波及効果を考えますと、誘致企業がもたらす経済効果は大変大きいものがあると認識しております。重要な施策だと考えております。島根で生まれた若者が島根で就職し、島根で生活していくことが地域社会の発展に大きく貢献するものと考えております。

企業誘致戦略について

(かもと)

私は、政治の中に身を置かせていただく前はサラリーマンをしておりました。1990年の秋には、アメリカのノースカロライナ州に転勤することになりました。アメリカの経済は景気後退の時期で、雇用への大きな危機感があり、アメリカ人は自信を失いつつありました。日本あるいは韓国、台湾などの国際競争力をつけた国々の企業との競争で、アメリカの企業は倒産し、より効率のよい外国に企業が移るなど、失業が大きな問題でありました。そうした中で、誘致企業の一員としてアメリカに駐在することになった私は、雇用の不安、財政赤字、貿易赤字と犯罪に苦しむアメリカを見ました。一方で、地元ノースカロライナの州知事、町長を先頭に、州政府や町役場の職員が地元の雇用をふやし、さらには地域振興を図ろうと一生懸命な姿を見て、大変感動しました。私は思いました。近いうちに、日本もアメリカのように競争力を持った海外に雇用を奪われる時期が来るだろうと。衣食足りて礼節を知るという言葉がありますが、雇用が脅かされれば、犯罪、教育の荒廃、福祉の低下などが大きな問題になるだろう、そうした状況が起こらないように、ノースカロライナ州政府、町役場の人たちが一生懸命取り組んでいた代表的な対策が、企業誘致でございました。

ノースカロライナ州はアメリカの南部の州で、いわゆる田舎でございます。昔から、たばこ、家具、繊維産業という古いタイプの産業が盛んでしたが、航空、防衛、自動車、バイオ、製薬、エネルギー、金融、IT産業の振興、誘致に努めてきました。低水準の物価や豊かな自然や歴史などの住みやすい環境、低水準の賃金を生かして、財政、金融支援や基盤整備、大学や職業訓練校と連携した従業員教育支援、生活を快適、安心なものにする娯楽、教育施設の環境整備などに積極的に取り組んできた結果、アメリカで発行されている雑誌「サイト・セレクション・マガジン」においては、2010年も含め過去10年間に9回、アメリカで最もビジネス環境のすぐれた州として選ばれ、同国ビジネス雑誌「フォーブス」の2010年10月号においては、ビジネスに最も適した州第3位、2011年5月に発刊された同国雑誌「チーフ・エグゼクティブ・マガジン」では、ビジネスに最も適した州第2位に選ばれています。 アメリカの人口は、1990年から2010年の20年間に約24%増加しました。しかし、ノースカロライナは約44%もの増加を示しているところでございます。ノースカロライナは置かれた環境に安住せず、みずからの意思と努力で地域の繁栄をかち取っていると言えます。島根県にとっても企業誘致は重要な政策と私は考えておりますが、企業誘致戦略としてどのような産業を念頭に誘致していくのか伺います。

(商工労働部長)

次に、企業誘致戦略についてでございます。 企業誘致に当たっては、毎年誘致活動方針を定め、その中でターゲットとする企業として、輸送用機械や電子部品の製造など産業集積を形成する企業群、医療機器など不況の影響を受けにくい企業、Rubyを始めとしたオープンソースを利用してソフト開発を行うIT企業や、経理、福利厚生などの事務処理代行業務など、地方展開の可能性があるソフト系企業などを念頭に置いて誘致活動を行っています。 ○既存の企業や関連企業の企業誘致について(かもと)全く新しい企業を対象とした企業誘致だけでなく、既にある地元の企業、あるいはその企業と関連のある企業誘致も重要であると考えますが、どのような認識を持っておられるか伺います。(商工労働部長)また、議員御指摘のとおり、島根が既に強みを持つ金属・機械などの地元企業をさらに大きくしたり、その企業と関連する企業を誘致していくことは、県内の産業に厚みや広がりをもたらすことになり、大変重要であると考えています。こうした点も踏まえて、今後誘致活動を行ってまいります。

企業誘致の推進体制について

(かもと)

企業誘致については、今後、市町村との連携、特に知事と市町村長のトップセールスの体制、庁内の推進体制などが重要だと考えますが、今後どのように進めていくお考えか伺います。

(商工労働部長)

次に、今後の企業誘致の推進体制についてでございます。 企業誘致については地域間競争がますます激しくなっており、島根に企業を誘致するためには相当な努力と工夫などが必要となっています。このため、議員御指摘の県、市町村との連携の強化や、企業が安心できるワンストップサービスの体制づくり、知事、市町村長による積極的なトップセールスの実施などについては、競争を勝ち抜き、立地を成功させるための重要なポイントであると認識しています。そうした観点から、これまでも県の職員と市・町の職員との人事交流を行い、連携強化を図ってまいりました。また、誘致決定後に多数の新規雇用者を早期に確保するために、地元市町村だけではなく周辺市町村も含めた対策チームを立ち上げ、人材の確保にも当たっているところでございます。 また、企業立地課がワンストップで窓口となり、操業に至るための法的な手続や協力企業の確保などについて関係機関との調整を行い、早期の解決に努めています。さらに、地元の熱意を伝えることが立地の決め手になることから、さまざまな場面で知事と市町村長が一緒になって積極的なセールスを行っています。これらにあわせ、立地後のフォローアップとして、教育機関との連携による継続的な人材確保や立地企業へのきめ細かい訪問による要望・相談の聞き取りなど引き続き行う体制を整え、企業誘致を推進してまいります。

農外企業参入促進について

(かもと)

次に、農林水産部においては、農外企業参入を促進し、成果も上がっていると聞いております。平成17年には商工団体、農業団体、金融機関と連絡会議を立ち上げられたということですが、農外企業参入の促進も効果的にやっていくためには、農林水産部、商工労働部など庁内の緊密な連携が必要であると考えます。どのように対応しておられるのか、今までの実績と効果も含め伺います。

(農林水産部長)

私からは、企業の農業参入促進における庁内の連携と、これまでの実績効果についてお答えします。

本県では、農業外からの参入企業を地域農業の重要な担い手の一つとして位置づけまして、その確保、育成に努めてきているところでございます。議員がおっしゃいますように、より広い分野から効果的に企業参入を進めるためには、関係部署の緊密な連携が必要です。そうした観点から、平成17年に農林水産部、商工労働部、土木部の関係部に農林・商工分野の関係団体を加えた島根県農外企業参入促進連絡会議を設置し、県内外の企業の参入に向けた動きや各機関が有する支援策について、年2回程度の会議開催を通じまして情報交換に努めているところでございます。また、商工労働部や土木部と共同して、さまざまな分野から参入を検討している企業等を対象とした研修会も年2回程度開催し、支援策や先進事例の経営ノウハウの紹介を行っております。

さらに、農業に参入後の企業に対しましては、地域の農業普及部や農業技術センターが主体となって経営調査や分析、指導を行っておりますが、これにとどまらず、地域の商工会議所等に属する中小企業診断士と連携して、より広い視点から分析できる体制も整備しておるところでございます。

あわせまして、平成15年度以降、県単独の支援施策を整え、技術習得や販路開拓、ハウス建設や農業機械導入への支援等、ハード、ソフト両面から企業の農業参入を後押ししてきたところでございます。これらの結果、平成22年度末までに農業外からの参入があった企業は86法人でございます。このうちデータが把握できます県の農業参入支援事業を活用した36社について見ますと、平成21年度生産額が約10億円、雇用者数が約120名の実績が出ております。農業生産の拡大と地域の雇用確保に貢献してる姿がうかがえるものと思っております。今後とも庁内関係部署や関係団体と連携しながら、企業参入を一層促進してまいります。

IT産業振興についての今後の支援の在り方について

(かもと)

次に、IT産業振興についての今後の支援のあり方について伺います。

民間需要に加え、県や市町村、広域行政などの公共の需要もあります。自治体などは顧客でもあります。地域のIT産業を育成する一つの手段として地元のIT企業への発注について、今後どのように考えているか、お伺いいたします。

(商工労働部長)

次に、IT産業振興策としての地元IT企業への官公需発注についてでございます。

県では、昨年度発注した18の業務システムのうち16のシステムについて、地元企業に発注したところです。また、従来より県から市町村に対して、中小企業振興の観点から地元企業への優先発注をお願いしているところでございます。官公需における地元IT企業への発注は、当該企業の信用力と技術力の向上につながることから、産業振興策として非常に大きな効果があると考えています。今後とも、地元IT企業への発注については、関係各位の理解と協力を求めつつ、一層推進してまいります。

島根の工芸品に対する支援について

(かもと)

次に、たくみのわざ支援について伺います。伝統工芸、あるいはたくみのわざを基礎とする企業は小規模である場合が多いですが、息の長い産業であり、雇用効果もあります。また、今後しまねブランド構築、島根のよさを県外に知ってもらうためにも、また多様ななりわいの立て方を示していくためにも、大変重要な産業であると考えます。今議会の補正予算にも、しまねの工芸品販路開拓支援事業が盛り込まれていますが、現状の支援内容と今後の取り組みについて、支援対象の考え方も含めて方向性を伺います。

(商工労働部長)

最後に、島根の工芸品に対する支援の現状と今後の取り組みについてでございます。

県では、郷土の自然や県民の暮らしの中で生まれ、受け継がれてきた工芸品の振興を目的に、昭和56年度から島根県ふるさと伝統工芸品の指定制度を設け、昨年度末現在で、雲州そろばん、石見焼などを始めとして66品目を指定しています。この指定品目を製造する事業者に対して、これまで後継者育成のための資金貸し付けや、意欲的に技術向上に取り組んでもらうために技術後継者表彰などを行い、伝統技術の継承を支援してきたところです。

また、指定品目以外も含めた県内の工芸品の販路拡大については、物産観光館やにほんばし島根館、広島での島根ふるさとフェアなどの場を活用し、県内外でのPRや販売促進に努めています。こうした中、近年の生活様式の変化により消費者の嗜好も多様化してきており、これまでの技術を生かした新商品の開発や既存商品のバリエーションをふやすなど、新たな需要を掘り起こしていくことが喫緊の課題となっています。今後は、これまでの支援に加え、しまねの工芸品販路開拓支援事業では、指定品目を製造する事業者だけでなく意欲のある事業者に広く呼びかけ、新たな商品づくりを目的とするセミナーや首都圏での専門展示会への出展支援などを行い、島根の工芸品が新たな付加価値を生み、活発に事業展開されるよう積極的に支援してまいります。以上でございます。

しまねブランドづくりについて

(かもと)

最後に、観光立県を目指す島根県において、古事記1300年記念事業を行うことは大変喜ばしいことであります。映画「RAILWAYS」、NHK連続ドラマ「ゲゲゲの女房」など、国民の目が島根に向き始めています。松江市においては、開府400年祭も最終年を迎えております。ところが、全国における島根県の認知度は、いまだに満足のいくものではありません。株式会社ブランド総合研究所が行っている地域ブランド調査2010によれば、全国で最も魅力的な都道府県は1位が北海道で、2年連続1位だということであります。2位は京都府、3位は沖縄県だということでございます。我が島根県は31位、前年は36位だったということであります。順位が上がっていますが、依然低位にあります。 数値に一喜一憂する必要もありませんし、中身をしっかりと吟味する必要もありますが、島根の魅力を知ってもらい、島根を身近に感じてもらい、島根へ何度も訪れてもらうためには、それなりの工夫や仕組みが必要であることは明らかでございます。みずからのよいところを再発掘し、認識し、磨き上げる努力、それを統一的に効果的に、県内、県外へPRして、県民、県外の皆さんから長く愛される価値を持つブランドをつくっていくことが大事だと思います。その効果は、観光だけでなく、定住化、企業誘致にもよい影響をもたらすと考えます。島根のブランドづくり、そしてそれぞれの市町村のブランドづくり支援のために、市町村と連携しながら情報発信を積極的に行うとともに、その基礎となる情報蓄積や映画誘致、著作誘致などを積極的に行う機能が庁内にあることが望ましいと考えます。そのような機能があるか、あるとすればどこが果たしているか、なければ、そのことについてのお考えを伺います。

(政策企画局長)

島根のブランドづくりのために、積極的な情報発信などを行う機能が県庁内にあるかなどの質問についてお答えします。 島根には、豊かな自然や食材、古きよき文化、特色ある地域資源、ぬくもりのある地域社会など、全国に誇れる多くの魅力があり、その魅力の一つ一つが島根のブランドを形づくっているものと考えております。こうした島根の魅力を全国に広く知らしめるため、島根のブランドイメージの定着を図るために、今まさに神々の国しまねプロジェクトに県を挙げて取り組んでいるところであります。知事を先頭に市町村や県民の皆様と一丸となって、全国の方々に島根の魅力をしっかりと伝えてまいりたいと考えています。

また、議員御指摘の映画誘致等については、専門の部署は設置していませんが、例えば近年の「RAILWAYS」を始めとする多くの映画、ドラマの制作に際しては、それぞれの作品に最も関係の深い部署が中心となり、各課が密接に連携しながら機動的な対応に努めてきました。さらに、「しまねSuper大使吉田くん」というアニメのキャラクターによるPRや、インターネット上の島根応援サイト「リメンバーしまね」による全国各地の島根ファンの獲得など、新しい手法による島根の認知度向上にも努め、さまざまな手段により島根のブランドの情報発信に努めてきています。今後とも庁内各課が密接に連携し、対応してまいりますが、政策企画局としても各種情報に対してアンテナを高く張るとともに、庁内の連携が円滑に進むよう調整を行い、より効果的な情報発信ができるよう努めてまいります。

むすび

(かもと)

今、日本は大変な国難に直面しております。この大震災がもたらした戦後未曾有の被害はすさまじく、近い将来起こり得る地震、その他の災害、エネルギー問題や地球温暖化の突きつける課題、生き馬の目を抜くスピードで進展する国際競争、国と地方の財政難、地域間格差、少子超高齢化など、立ちはだかる課題は余りにも大きくふくそうしております。 しかしながら、今回の大震災において想像を絶する逆境を耐え忍ばれ、配給の列も乱さず、今でもしっかりと秩序を保っておられる避難者の皆さん、昼夜を問わず献身的に被災者を支え、復旧活動に取り組まれている地域の、そして全国からの公務員、ボランティアなどの皆さん、地震によって寸断された高速道路を短期間で復旧する建設関連企業の皆さん、そして、サプライ・チェーン修復のため、取引先の自動車、電機メーカーから数千人の応援を受け、わずか6カ月で震災前の供給水準に戻さんとする半導体メーカーの皆さんの使命感、技術力、そして総合力。16年前の阪神大震災の際には、被害を受けた神戸地区の生産活動を15カ月で震災前の水準に回復された地域産業界の活力、もはや戦後ではないという副題のついた経済白書が出たように、第2次世界大戦後わずか10年で経済復興した日本の国力、日本国の底力ははかり知れません。私は、日本が必ずやこの国難を乗り切れるとかたく信じていますし、乗り切れるよう全国民が一致団結して努力していかなければなりません。今必要なのは、国難に当たり国論をまとめ切る強い政治の意思と、それを引っ張っていく不退転のリーダーシップであると考えます。

島根県は都会から遠く離れた小規模な自治体ではありますが、大震災の被災地の復旧・復興支援の役割をしっかりと果たし、またこの島根の地で、豊かに、安全に、安心して生活できる環境づくりができることを県内外に示していかなければなりません。そして、そのことが日本国の新たな国づくりに少しでも貢献することを念じつつ、県議会での初めての一般質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

以上

このページの先頭へ