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島根県議会における主な質問(平成26年(2014年)2月定例会一般質問)

平成26年(2014年)2月定例会(一般質問)

1.ものづくり産業の将来像と特殊鋼産業、「匠の技」産業の振興について

2.お茶産業の現状と今後の方針について

3.工業団地の状況と今後の方針について

4.木質バイオマス発電事業における木質バイオマス安定供給体制の状況と今後の方針について

5.道路整備と今後の予定について

6.通学路の安全対策について

7.県境を越えた医療情報ネットワークの連携状況について

8.NHKラジオ放送について

 

1.ものづくり産業の将来像と特殊鋼産業、「匠の技」産業の振興について

 

(かもと)

皆さんおはようございます。議席番号2番嘉本祐一でございます。

まず、ものづくり産業に関連して質問させていただきます。

先日、私はお台場の東京ビッグサイトで開催された東京国際ギフトショーを見てまいりました。日本最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市であります。衣食住にかかわる家庭日用品や生活用品を、日本はもとよりアメリカ、ドイツ、イタリア、イギリス、スイス、オランダ、中国、マレーシアなど20カ国の約2,400もの出展企業が展示する、3日間で約20万人の方が訪れる巨大なイベントでありました。

島根の事業者も参加され、4つのブースで出展されていました。金工品、陶器、木工、和紙などの工芸品などを出展しておられました。工夫を施したすばらしい家庭日用品、生活用品を見るにつけ、匠の技とよく言われますが、全国には、そして島根には今でもまだたくさんの匠の技、職人の技が残っている、会場いっぱいの出展を見て、この匠の技産業の世界の裾野の広さと深さ、歴史の長さを再認識したところでございます。

戦後の経済成長を通して会社勤めが定着しましたが、こうした職人技を駆使してなりわいにする道もあると強く思いました。厳しい世界ではあるけれど、やりがいのある楽しい仕事だと思うと、島根県の女性で脱サラしてこの仕事につかれた出展者が私に語ってくださいました。若い人たちにはぜひものづくりの楽しさや魅力を知ってもらい、こうした仕事にも注目してもらいたいと思いました。

よく知られておることでございますが、島根県内では古くからたたら製鉄が盛んに行われていました。幕末、明治期に日本に導入された西洋式近代製鉄法以前の製鉄方法であります。日本で唯一のたたら総合博物館である安来市の和鋼博物館によれば、日本人と鉄との出会いは、縄文時代末に鉄器が日本列島にもたらされたことにあるそうであります。国内の鉄生産が本格的になったのは、研究者によって意見が分かれるものの、少なくとも古墳時代後期、今から1,400年前だと考えられているそうであります。その中で、初期のころの原料は鉄鉱石の場合が多かったようでございますが、以後砂鉄も加わり、やがて砂鉄が主流になっていったそうであります。

特に、中国山地には良質な砂鉄がとれるため、たたら製鉄が盛んに行われました。安来市の安来港は、江戸時代より鉄や鉄製品の積み出し港として栄え、市内南部の広瀬町や奥出雲町などは野だたらによる鉄の生産地として発展し、一時は鉄の生産量が国内の7割から8割を占める地域となったということであります。

このたたら製鉄にかかわる鍛冶、鋳物等に携わる人々は、金屋子神と呼ばれる鉄の神様を古くから信仰していました。金屋子神は高天原から播磨国に天下った後、白鷺に乗って出雲国比田村の桂の木に飛来し、ここで現在の金屋子神社の宮司の祖先に出会い、我は金屋子神なり、今よりここに宮居し、たたらを立て、鉄吹術を始むべしと宣言して製鉄方法を人間に伝授した後、その地に祀られたこととされております。神技という言葉がありますが、たたら製鉄は神から授かった技とも言えるのでしょうか。

島根には今もそのたたら製鉄が残っています。公益財団法人日本美術刀剣保存協会による日刀保たたらは、1977年以降、国庫補助事業として日立金属株式会社及び関連会社の皆様の協力のもとにたたら操業を行い、たたら技術の保存と後継者の養成に努めておられ、今でも生産された玉鋼などを全国の約250人の刀匠にお分けして文化財保護に貢献しておられます。

島根には昔からの農業や、1,000年以上もの歴史を持つと言われるたたら製鉄に代表されるさまざまななりわいの中で培われたものづくりの技術、匠の技、そして心があるように私には思われてなりません。島根県民の性格として粘り強さ、努力を惜しまないというようなことが挙げられているのをよく本や雑誌などで見かけますが、このようなことも関連しているようにも思います。要するに、島根にはものづくり産業において強みを発揮できる人たちが多いのではないかということでございます。

また、私は30歳前後の時期にアメリカで自動車メーカー向け磁石製造工場を営む会社で2年間、アメリカ人とともに働いた経験がございます。当時は会社が設立されたばかりで、アメリカ人のフロアワーカーの時給は、職種により当時のレートで800円から1,500円程度でした。一方、同じアメリカの金融、証券の世界では億単位の年俸やストックオプションなどを手に入れるなど、そういった人たちもたくさんおられましたし、今もその状況は変わりません。そうした報酬を手に入れるのは会社のトップや役員に限らず、業績を残した社員にまで及びます。日本の会社の一般の従業員とトップの給与格差は10倍から30倍程度、アメリカは200倍から300倍とも言われていました。私はそれに違和感を持っておりました。日本人がそれぞれの能力を生かして仕事に励めば、家庭を築き、子どもを教育し、後顧の憂いのない生活を送れるような社会が築かれなければならないと思いましたし、今でもそう思っております。

5年ほど前に世界的金融恐慌を経た後、アメリカ人でノーベル経済学者でもあるジョゼフ・スティグリッツ氏が、グローバル化した経済が引き起こしてきた負の部分に光を当てて、アメリカ国内で広がる格差の問題について指摘と処方箋を提示しております。保守、リベラル派の温度差はありますが、グローバル経済化の大きな役割を担ってきたアメリカやEU諸国の経済学者、政治家の中から政府、中央銀行が市場に対してより大きな役割を担うべきという議論が出てきていることに、これからも注目していきたいと思っております。

そういう点からも、世界を見渡す限り、日本のものづくり産業は昨今凋落しているという議論が見られますが、国民の皆さんがみずからの職業人生を託せる立派な職場をこれからも提供できると思います。

さて、そうはいっても、今、日本のものづくり産業は大きく揺さぶられていることは確かであります。主要通貨に対する円高、プレミアムつき化石燃料の高騰、新興国製造業の競争力強化、海外への工場進出などさまざまな要因で、製造業全体の従業者数や事業所数は1990年代以降、減少傾向が続いております。しかしながら、それぞれのニッチ、細分化された市場で小規模ながら急成長されている企業もあれば、成長率は低いけれども息の長い事業を展開しておられる企業、高い専門性や固有の技術力を持って成長している企業、日本に研究開発試作拠点、本社機能を持ち、主な生産を海外で行い成長している企業もあり、ここ島根県にもいろいろな形で成功をおさめられている製造業者、ものづくり産業の方もたくさんおられます。ものづくり産業の様相は十把一からげに説明できるものではありませんが、知事の考えられる島根のものづくり産業の将来像について伺います。

また、島根には安来市を中心に、世界に誇れる技術を持つ特殊鋼産業が存在しております。また、島根県内にも先ほども触れた匠の技、規模は小さいですが、特に食品、菓子、茶、金工品、木工、和紙、陶器などにおいてすばらしい伝統と技術を持った事業者の方が御活躍されています。知事に、島根のものづくり産業の将来像における特殊鋼産業と、匠の技産業の位置づけをお伺いいたします。

(知事)

私からは、島根のものづくり産業、そして特殊鋼産業、そして匠の技産業の将来像、位置づけ等についてお答えを申し上げます。

島根のものづくり産業、大きな役割を果たしておるわけであります。経済面で見ますと、平成23年度の県内の県民経済計算、県内のGNPでありますけども、その総生産が大体2兆4,000億円でありますが、その約14%弱、3,200億円を超える生産をしておるということでありまして、大変大事な企業であり、県内のものづくり産業は全体の中でも中核的な産業であるというふうに位置づけられると思います。

その要因としては、やはり長い歴史の中で、県内はもちろん、県外からもいろんな受注に応えることができる、そういう技術力を持っておられる、またそういう技術を継承されてきておるということではないかというふうに思います。

個別の産業の状況を見てみますと、特殊鋼、鋳物、農業機械、石州瓦などの地域経済を支える一定の集積があるということが言えると思います。地域地域で集積をして、大きな地域で役割を果たしておる。そしてもう一つは、自動車部品、電子部品のメーカー等を中心として、県外から県内に立地をされた企業が県内各地にあるということであります。

それから、そうした誘致企業などはかなり県内でも一番大きい企業であり、売り上げも大きいわけでありますけども、そういう企業だけでなく、従業員20名未満の比較的小さい事業所が、ものづくり産業の中で8割以上を占めておるというふうに言われております。そうした企業は営業力でありますとか技術力でありますとか、あるいは技術によって新商品を提案する力でありますとか、そういう力によりまして、大手メーカーからも受注をしている企業がたくさんあるということであります。そして、地域に欠かせない工程を担っておるというふうに言われております。

また、製品の企画設計にたけた企業なども存在をしているということでございまして、こうした状況のもとで海外市場や成長産業の需要を島根に引き込んでくる、そういう企業でもあるわけであります。すぐれた技術、ノウハウを有する企業がたくさんあるわけでございますから、そうした企業が連携し合うことで、さらに強い競争力を持ったものづくり産業が、将来にわたって島根の経済を支える中核的な産業として継続されるよう、県としても必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えておるところであります。

それから、ものづくり産業の中で特殊鋼産業のことについて御質問がありました。

安来市を中心に集積している特殊鋼産業は、たたらの製鉄技術を受け継いで、高度な技術力により世界的にも高いシェアを持つ生産を生み出しており、その地で多くの雇用を創出し、島根の産業と経済を支える中核的なセンターとなっておるというふうに見ております。最近では、世界的な成長分野であります航空機産業での受注獲得に向けまして、積極的な設備投資を行う動きもあるわけでございまして、県としてもこの産業を重要な産業として引き続き支援をしていく必要があるというふうに考えております。

それから、匠の技産業でありますが、議員は職人技であり、あるいはたたらのように神技でもあるということでありますが、島根の豊かな自然、長い歴史の中で培われてきた、匠とも言われる方々の技に支えられた伝統的な食品あるいは工芸品が各地にあるわけでありまして、これは経済的な価値だけでなく、文化的な価値あるいは観光資源としての価値もあわせ持っている産業であり、地域の魅力の一つになっておるわけであります。最近では、和紙、金属工芸の若手作家のグループがフランスなどで展示会を出展し、販路開拓に取り組むといった新しい動きも出ておると聞いているところでございます。

県としましても地域経済の振興、技術、技法を伝える産業であります。そしてまた、人々の生活様式も変わっていくわけでありますが、消費者のニーズに合ったものもつくっていく、新製品を開発していく、さらに新しい技術を取り入れていくということで、県の経済をリードする産業として、県としても必要な支援を行っていく考えであります。以上であります。

(かもと)

特殊鋼産業、匠の技産業の知事の位置づけを踏まえ、今後の支援の方針をお伺いいたします。

(商工労働部長)

特殊鋼産業や匠の技産業の今後の支援方針についてでございます。

特殊鋼産業につきましては、関連企業11社など、産学官の組織で設立した島根県特殊鋼関連産業振興協議会で策定された構想に基づいて支援しているところです。この構想では、地域の雇用を拡大するために素材、加工、材料評価など関連企業が持つ強みを生かして、航空機分野などの成長産業に参入することとしております。航空機分野での今後20年間の市場規模は400兆円以上とも言われ、部品数が300万点に上り、その素材には精密なものが使われています。

しかし、これらの製造に当たりましては、厳しい品質保証や高度な加工技術といった高いハードルがあるため、県では必要となる認証の取得や技術開発費への助成のほか、昨年10月に発足した共同受注グループSUSANOOに対して、研修会や市場調査などへの支援を行ってきているところです。まずは航空機分野にこのようにチャレンジする中で、特殊鋼産業が拡大、発展し、島根のものづくり産業の牽引役となるよう全力で支援してまいります。

次に、匠の技産業についてです。

伝統的な食品や工芸品に携わる事業者は、規模こそ小さいところが多いのですが、地域で愛され、県外に多くのファンを持ち、島根の魅力発信や認知度向上に大いに貢献いただいているところです。

これらの産業の支援についてでありますが、1つ目には、匠の技を継承していくために、技能者表彰や就業者の研修助成による後継者育成を行っていきます。2つ目には、売れるものづくりを進めていくために、商品開発のための専門家の派遣や研修会を行っていきます。3つ目には、販路拡大を図るために、国内外で開催される展示商談会への出展支援等を行っていきます。

さらに、観光分野とも一層連携し、その背景にある歴史や文化とあわせて魅力を発信していきます。例えば、平成29年にはJR西日本エリアを周遊する新たな豪華列車が導入されることになりましたが、この列車の内装や調度品には島根の工芸品が、提供される食事には島根の食材が使用されるよう、早くから働きかけていきたいと考えております。

 

2.お茶産業の現状と今後の方針について

 

(かもと)

次に、お茶産業の現状と今後の県の方針について伺います。

私は、JR安来駅前に食堂を経営する母親とサラリーマンの父の長男坊として生をうけました。昭和40年代まで小学生として過ごしてきた私は、祖母と母親、そしてお手伝いさんの3人が切り盛りする食堂というにぎやかな環境、そして御近所は旧国鉄安来駅や、事務所やトラックの中継所がある運輸会社の従業員の皆さんにかわいがられ、伸び伸びとした環境の中で育ちました。お風呂に入っていると、お風呂の窓越しから仕事帰りの従業員さんが、おい祐ちゃん、どげな、元気にしちょうかやなど声をかけられるような、のんびりとした、そしてつながり感のある生活でありました。

そうした中で私が小学校から帰ると、仕事で一息ついた祖母が茶箱から茶道具を取り出し、抹茶をたててくれたものです。それは当時の私にとっては当たり前の光景でありました。今ではそのようなことをとても懐かしく思うことがあります。

島根県は江戸時代の第7代松江藩主松平治郷、不昧公が茶人であったということから、お茶を飲む文化が発達しているということであります。島根県、特に東部地域ではお茶の消費量も多いと聞いております。名前は申しませんが、昔同じ島根県出身のある有名な作家に、出雲人は文もせず、武もせず、ただ茶のみを食らうと言われたそうでありますが、前向きに言えば、それだけ茶を愛する人たちが島根には多いということだろうと思います。

ところが、島根県の平成23年度の調査によると、県内での荒茶の生産量は149トンに対し、県外から入ってきた荒茶及び仕上げ茶の合計は2,039トンにもなり、県内のお茶の需要に生産が追いついていないということであります。島根県内でも生産者の高齢化が進み、茶樹の老木化、生産性、品質向上、販路拡大という課題に対して県内の生産者、加工業者、流通業者、そして行政が力を合わせて取り組まねばならないと考えますが、お茶産業の現状の認識と今後の方針についてお伺いいたします。

(農林水産部長)

お茶産業の現状の認識と今後の方針についてお尋ねがありました。

本県は古くから茶どころと言われて茶の消費量が多く、製茶業は盛んなわけでございますけれども、お茶の栽培につきましては必ずしも適地とは言えないという土地柄でございます。排水が悪いとか霜の害があるとか、そういうことでございますけれども、そういうことでございまして、議員からも御紹介がありましたとおり、荒茶の多くにつきましては、県外から購入されているという現状にございます。

そこで、昨年の3月に島根県茶業及びお茶の文化振興に関する指針、これを策定いたしまして、この指針に基づきまして生産、加工、販売、各段階の対策に取り組むこととしております。具体的には、生産対策につきましては乗用型の茶摘み機械導入等による省力化、低コスト化の推進でございますとか、生産性向上のための霜の害を受けにくい品種などへの改植、こういったことに取り組んでおります。

加工対策につきましては、1つには荒茶加工技術のレベルアップ、もう一点としては美味しまね認証の取得の推進、こういった対策に取り組んでおります。それからまた、販売対策といたしましては、商談会の開催ですとかインターネット販売の支援、それから輸出拡大を目指した取り組みの支援、こういった取り組みを行っているところでございます。今後も指針に基づきまして、島根のお茶産業の維持発展はもとより、お茶の文化振興にも努めてまいりたいというふうに考えております。

 

3.工業団地の状況と今後の方針について

 

(かもと)

次に、工業団地の状況と今後の方針について伺います。

企業誘致には県民の雇用の場の拡大、関連する地元企業の発展、税収の増大など地域経済の波及効果も大きいものがあります。特に、島根県で生まれた若者が島根県で就職し生活ができる受け皿づくりが必要であります。

また、東日本大震災を契機として、南海地震、東海地震、東南海地震、首都直下型大地震などについて、あるいは火山噴火などの起こり得る自然災害に対する対応もさらに強化していかなければならないことが、国中で叫ばれております。

一方で、地方分散、日本海国土軸の視点から、災害対応だけでなく、経済、雇用面などの面で島根県の担う役割もあると考えます。県外の企業が被災したときに備えて、島根県で事業が可能なように企業誘致を進めていくことも、日本国経済の一端を担う島根県の役割でもあります。農林水産業も含めた内発型の事業支援とともに、企業誘致にも積極的に取り組んでいかなければなりません。

そういった意味でも、このたびの島根県の平成26年度企業立地助成制度の拡充は大変時宜を得たもので、県内で事業を展開されている企業にとりましても大変評価の高いものであると考えております。地元の企業などの現場の声を大切にされる知事の姿勢が前面に出た施策であり、高く評価するものであります。

一方で、例えば安来市では、安来インター工業団地を平成20年3月に造成され、今現在全ての用地が分譲済みであります。これから企業誘致を進めようと思ってもなかなか難しい状況であります。企業立地にはさまざまな条件がありましょう。交通条件、労働力、産業構造、生活環境、先ほどの地震も含めた気象状況などが頭に浮かびます。土地も重要な条件の一つであります。

そこで、県、市町村が有するそれぞれの地域別工業団地の分譲率の状況を伺います。

(商工労働部長)

まず、工業団地の分譲率についてです。県営の工業団地は、県外からの大規模な企業進出の受け皿として整備しており、松江市に2カ所、江津市と益田市にそれぞれ1カ所ずつの計4カ所で分譲、運営を行っております。これらの分譲率ですが、松江市にあります江島工業団地が93%、ソフトビジネスパーク島根が44%、江津市にあります江津地域拠点工業団地が65%、益田市にある石見臨空ファクトリーパークが34%です。

次に、市町村が現在分譲している工業団地は松江市、出雲市、雲南市、大田市にそれぞれ1カ所ずつあり、全部で4カ所あります。これらの分譲率ですが、松江市にある朝日ヒルズ工業団地が46%、出雲市にある出雲市東部工業団地が59%、雲南市にある藤が丘企業団地が50%、大田市にある羽根地区工業団地が37%です。県営と市町村営を合わせた全体の工業団地の分譲率は52%ですが、このうち出雲部が63%、石見部が43%です。

(かもと)

今後企業や市町村に対して工業団地のニーズ調査、市町村が行う工業団地造成に支援する考えはないか、お伺いいたします。

(商工労働部長)

続きまして、工業団地のニーズ調査についてであります。企業立地の大まかな傾向や推移等については、経済産業省や財団法人日本立地センターが定期的に実施しております動向調査などを活用し、把握に努めております。また、個別企業の立地計画やニーズ等については、首都圏や関西圏などに配置している企業誘致専門員が企業訪問をする中で情報収集を行っております。これらの調査結果によりますと、近年では国内の立地件数が減少傾向にあり、また1社当たりの立地面積も小さくなっております。

市町村が行う工業団地に対する支援についてもお尋ねがありました。

市町村が行う工業団地の造成事業につきましては、主に以下の3つの理由からこれまで財政的支援を行っておりません。1つは、造成事業は分譲収入をもって賄うことが基本であること、もう一つは、市町村に対して財政支援する方法ですと、分譲価格を引き下げる効果はありますが、企業が取得する土地取得費に直接補助する――今やってる方法ですが――に比べて県の立地促進策としてのアピールができないこと、言い方をかえますと、企業からすればパンフレット等に載っている分譲単価がその地域の基準単価だということで、そこからスタートしてどういう促進策が、各県で競われていますが、あるかということだと思います。それと、3つ目は、現在分譲中の市町村工業団地との均衡であります。このため、県としては引き続き、市町村の工業団地に立地した企業の土地取得費を含んだ投資額に対して直接支援する現行の制度で対応していく考えです。

なお、この立地促進助成金は、他県の状況や環境の変化に対応して随時見直しを行ってきているところでありまして、議員からも御紹介いただきましたが、来年度に向けても拡充強化を予定しております。

現在、出雲市や雲南市で団地の整備計画が進行中ですが、市町村が工業団地の整備を検討する際は、県が入手した立地計画の情報を提供するなどして、企業にとって魅力ある工業団地になるよう協力を行っているところです。

なお、先ほども御説明したとおり、分譲率が5割を下回っている工業団地も多いことから、市町村と連携し、これらの工業団地に企業立地が進むよう全力で取り組んでまいります。

4.木質バイオマス発電事業における木質バイオマス安定供給体制の状況と今後の方針について

(かもと)

次に、木質バイオマス発電事業における木質バイオマス安定供給体制の状況と今後の方針について伺います。

平成24年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始され、島根県も再生エネルギー導入の促進策として、民間事業者が県の公募事業を受けて、松江市と江津市に木質バイオマス発電施設を整備することになりました。平成25年度から26年度にかけて施設整備を行われ、平成27年度から発電を開始される予定だと聞いております。木質バイオマス発電施設が県内に2施設整備されることに伴い、発電施設、チップ加工、原料生産合わせて約120名の雇用創出効果が見込まれるそうであります。二酸化炭素の大きな削減にもつながり、大変すばらしい事業を始められたと考えております。

聞くところによりますと、固定価格買取制度におけるバイオマス区分において、できるだけ多くの木質バイオマスを一番高い買い取り価格で電力会社に販売できるよう努力されているということであります。この事業を成功させるための一つの大きな要因は、中国電力の買い取り価格でありますが、その川上の木質バイオマス発電事業者から原料の木材を供給する森林組合などの皆様まで、それぞれの契約主体の皆様が受け取る価格も大変重要でございます。コストが上回れば採算に合わないことになります。当然、民間企業の契約ですから、それぞれが自由意思に基づいて契約を交わすのが基本ですが、木質バイオマス発電事業は再生可能エネルギー導入促進という、国と県のかかわる事業でありますので、それぞれの段階で適正な契約が成立するような環境がつくられなければならないと考えます。

さらに、島根県では木を切って使って植えて育てる、循環型林業の実現を目指しておられます。木材の生産者が切った後、植えて育てるという前向きな気持ちになれるような環境実現に向けて、県も支援していただきたいと思います。

島根県内林業の維持、発展のためには、川上では搬出道の整備、境界明確化、機械整備、人材育成などの低コスト、効率的な生産体制、川下においては県産材の需要など販路確保と価格の維持向上策など総合的な対策が必要であることは、これまでの議会における議論でも指摘されているところであります。

そうした課題がある中で、新たに木質バイオマス発電事業が始まります。先ほど申しましたように、木質バイオマスを供給する森林組合などの生産者が受け取る価格によって、生産者の経営状況は大きく変わります。御認識を伺います。

さらに、これまでも県におかれては県内林業の支援に積極的に取り組まれてきたわけですが、新たな木質バイオマス発電事業が始まるに際して、搬出助成、搬出道整備、境界明確化、機械整備、人材育成、経営計画作成などを含め、木質バイオマスの安定的な供給を確保するため、どのような支援策を考えておられるか伺います。

(農林水産部長)

次に、木質バイオマスの関係でございます。

まず、木質バイオマスの価格と供給事業者の経営についてお尋ねがございました。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度のもとでは、木質バイオマス発電による電力は20年間固定価格で買い取りをされることになります。したがいまして、燃料となる木質バイオマス、これも長期にわたり量、価格ともに安定した取引が可能になるという状況にございます。このため、議員からも御指摘がございましたとおり、木質バイオマスの取引価格、これは供給者であります森林組合等の経営安定や山元への収益還元にとって、非常に重要な課題であるというふうに認識をしております。

木質バイオマスの安定供給に向けましては、発電事業者と島根県の素材流通協同組合の間で取引協定が締結されているわけでございますけれども、今後両者の間での燃料用チップの取引価格やチップ工場への原木納入価格が、それぞれ決まっていくものというふうに聞いております。県といたしましては、木質バイオマスが長期間安定的に供給されるように、より低コストでの木材生産が可能となる条件整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

次に、木質バイオマスの安定供給のための支援策についてお答えいたします。

平成27年度から木質バイオマス発電という新たな需要ができる、このことは森林組合を始め林業事業体にとって事業拡大のチャンスとも言えまして、県内全域から大量の木質バイオマスを集荷できる体制をつくることが必要だというふうに考えております。

一方で、木質バイオマスを生産するためには、原木の生産が行われることが前提となりますが、これまで原木生産に本格的には取り組んでおられない森林組合もございますので、より多くの事業体が木材生産体制を強化する必要があるというふうに考えております。このため、森林整備加速化・林業再生事業や県独自の事業を活用して、原木や木質バイオマスを生産する高性能林業機械や専用の運搬車両の導入、それからまた伐採技術者の育成確保、森林組合と民間事業体の連携強化、こういった取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。

また、森林資源の循環利用という観点からは、原木や木質バイオマスの生産、それに加えまして、その後の再植林というものも一体的に進めることが重要でございます。このため、森林所有者の意欲を喚起するとともに、森林組合が取り組みやすい環境を整えるために、引き続き主伐による原木増産や再植林に係る負担軽減策、こういったことも実施してまいりたいというふうに考えております。以上です。

 

5.道路整備と今後の予定について

 

(かもと)

次に、道路整備と今後の予定について伺います。

県内に高速道路を東から西まで1本通す、来月15日山陰道、仁摩温泉津道路、湯里ICから石見福光IC間が開通する予定です。県央地域で初めて山陰道が開通することになります。これまでの地元の皆様方の御理解と御協力、国、県、市町の関係機関の皆様の御努力に対し、深甚なる敬意と感謝の意を表するものであります。

ここに来て、山陰道の整備が少しずつ加速していることについては大変ありがたいことであり、引き続き精力的な要望活動等を国に対して進めていかなければなりません。一方で、防災、産業振興、交流促進、まちづくりの観点から、市町村の皆さんはそれぞれ独自の中長期的な計画を持ち、実施されているところであります。島根県、国との連携のもとに総合的な視点からの整備が前提となります。

私の住む安来市においても、島根県と密接に連携をとり、道路整備に取り組んでおられます。特に、安来市ではここ数年、新庁舎の位置などについて意見が分かれ、島根県知事を始め県職員の皆様方には大変な御心配と御苦労をおかけしたところでございます。それにもかかわらず、安来市の相談に真摯に乗っていただきましたこと、一安来市民として深い感謝の意を表するものであります。誠にありがとうございます。

昨年、安来市においては、安来市役所建設予定地に市民会館、給食センターを建設する方針が決定されたところであります。これらが有効活用されるためには、接続道路となる主要地方道安来木次線切川バイパスの整備を始め、市内全域からのアクセスの向上が求められています。ついては、県の道路整備の考え方並びに安来市管内の道路整備の考え方と整備の状況についてお伺いいたします。

(土木部長)

県の道路整備の考え方並びに安来市管内の道路整備の考え方と整備の状況についてでございます。

県の道路整備に当たりましては、産業を支え、地域の発展と広域的な交流を促進し、そして災害時の救急、救援活動等を円滑に行うために、高速道路へのアクセス道路や県内各地域と生活圏の中心地を連絡する道路など、国道の全線と県道の約3分の1を幹線道路に位置づけ、優先的に整備を進めております。また、幹線道路以外の生活関連道路につきましては、通勤や医療、福祉など日常生活を支える上で早期に整備が必要な箇所を効率的に整備しております。

安来市管内の道路整備につきましては、安来市中心部と広瀬町と伯太町を相互に連絡する道路、松江市など隣接する市町と連絡する道路、これらを幹線道路として位置づけ、これまでに重点的に整備を進めてきたところであり、平成24年度末の幹線道路の改良率は86%となっております。今後は、幹線道路の未整備区間を解消するため、現在事業中の安来木次線切川バイパスや、国道432号菅原広瀬バイパス、草野横田線などの整備を引き続き進めてまいります。また、生活関連道路につきましては、地域の意見を聞きながら必要な箇所について整備を行ってまいります。

 

6.通学路の安全対策について

 

(かもと)

次に、通学路の安全対策について伺います。

一昨年、京都府亀岡市や愛知県岡崎市、千葉県館山市で登校中の児童の列に車が突っ込む事故が相次ぎました。児童の登下校時の交通事故による犠牲者数を削減すべく、島根県での対応状況を2012年6月定例議会で私も質問したところでございます。県、市町村が管理する通学路の合同点検に基づいて行われたハード、ソフト両面の総合的な対策の進捗状況を伺います。

(土木部長)

通学路緊急合同点検における対策の進捗状況についてお答えをいたします。

平成24年度に実施した通学路緊急合同点検による県内のハード及びソフト対策の必要箇所は、道路管理者によるものが635カ所、教育委員会によるものが78カ所、警察によるものが133カ所で、合計は846カ所となっており、平成25年度までに565カ所、66%が完了する予定であります。

道路管理者が行う635カ所の内訳は、国が31カ所、県が191カ所、市町村が413カ所となっており、平成25年度までに368カ所、57%が完了する予定であります。県が行う191カ所のうち、防護柵の設置、路面標示の引き直し、用地取得を伴わない歩道の設置等、早期に対応できるものを中心に、平成25年度までに142カ所、74%が完了する予定であります。残る49カ所につきましては、主に用地取得を伴う歩道の設置であり、完成までの間は路面標示等により安全を確保しながら、平成30年度までの早い時期の完了を目指してまいります。今後とも国、市町村や地域の方々と連携を密にしながら、通学路の安全性の向上に努めてまいります。

(教育長)

通学路の安全対策についてお答えをいたします。

平成24年度時点で通学路の安全対策が必要な箇所のうち、教育委員会あるいは学校による対応が必要とされた箇所は78カ所でございました。

対策の主な内容ですが、児童生徒への具体的な交通安全指導が必要な箇所、あるいはPTAや見守り隊によります協力を求める箇所、あるいは通学路を見直す、こういった箇所でございます。この78カ所のうち77カ所につきましては、今年度末までに対応が完了する予定となっております。残りの1カ所につきましては、通学路の変更が当時必要とされましたが、見直しの実施が困難な状況にございます。今後関係者で協議を進めまして、どういった対応策が可能か検討を行ってまいります。以上でございます。

(警察本部長)

通学路の安全対策についてですが、警察として行うべきハード及びソフト対策の必要箇所数は133カ所でした。そのうち120カ所については対処を実施済みであり、進捗率は90%となっております。

対策の内容については、危険箇所の状況に応じて最適な方法を選択しているところでありまして、具体的にはハード対策として横断歩道の新設、移設、一時停止などの交通規制の実施、道路標示の新設、補修など、ソフト対策としては交通監視やパトロールの強化などを行っております。残りの13カ所につきましては、地元関係者との協議や道路管理者との調整が必要な箇所もありますが、できる限り速やかに実施することとしております。

 

7.県境を越えた医療情報ネットワークの連携状況について

 

(かもと)

次に、県境を越えた医療情報ネットワークの連携状況について伺います。

この点は、私の常任委員会の所管事項ではありますが、県境を越えた課題でもありますので、質問をお許しいただきたいと存じます。

私が住んでおります安来市では緊急の場合、あるいは重度な症状を訴える患者が、鳥取大学医学部附属病院に行くケースが多く見られます。かかりつけの医者がいても深夜、早朝に得体の知れない突発的な症状を訴える患者や子どもや乳幼児、病気はわかっていても専門的な医療知識、技術を駆使する必要のある患者など、鳥取大学医学部附属病院は、安来市民にとっていざというときに重要な役割を果たしています。恐らく、安来に限らず、石見地区の地域住民の皆様におかれましても、広島県の病院などと同じような状況があるのではないかと拝察しております。県外医療機関との情報ネットワークも予防、救急、療養、療養後の対応などの切れ目のない適時適切な医療対応にとって重要であると考えます。現状と課題、今後の医療情報共有の対応についてお伺いいたします。

(健康福祉部長)

私からは、県境を越えた医療情報ネットワークの連携についてお答えします。

議員がおっしゃいますように、生活圏が県境を越える地域の県民の方の中には、通常は地域のかかりつけ医を受診するが、専門的な治療は県外の医療機関を受診される方も多いだろうというふうに思います。したがいまして、現在県が進めています医療情報ネットワーク、まめネットにつきましても、県外の医療機関と接続することを検討していく必要があります。

こうした中、島根県と同様、隣県におきましても鳥取県のおしどりネット、広島県のHMネット、岡山県の晴れやかネットなど診療情報の協議のためのネットワークが整備されてきております。これら他県のネットワークとまめネットとの接続が可能になれば、県外医療機関で治療を受けた人が、安心して身近な地域の医療機関で療養したりできるようになるものというふうに考えております。

ただ、県ごとに異なる仕組みの間で情報をやりとりするには、送り手と受け手の双方で通用する患者の同意が必要となりますが、現状では各県で同意の内容や取得の方法がまちまちであるというふうな課題がございます。このことは全国共通の課題でございまして、国に対して重点要望などの機会を通じて、全国一律の同意取得方法を示すことなどを求めているところでございます。

今後の対応ですが、中国地方知事会のもとに設置されました地域医療確保対策部会、ここにおきましてこれまでドクターヘリの広域連携について協議、調整し、これを実現させてまいりました。このたびこの医療情報ネットワークの広域連携につきましても、この会議におきまして検討に着手したところでございまして、今後その実現に向け取り組んでまいります。

 

8.NHKラジオ放送について

(かもと)

昨年、よく存じ上げている知り合いの方から、安来ではNHKラジオ放送について、雑音が入り聞こえないというお話を伺いました。それ以来、私も車のカーステレオを安来市内でNHKラジオ松江放送に合わせて聞こうと試みましたが、地域によっては何とかおおよその話はわかるときもあれば、全く何を話しているのかわからない場合もありました。市内の電器店で携帯用のラジオを購入してみましたが、やはり同様な結果でございました。これは私だけの話ではなく、ほかにも大勢の皆さんが言っておられることでございます。島根県内でそのほかNHKラジオ放送の内容が十分に聞こえない地域があるのかどうか伺います。

近年では、東日本大震災という大災害を経験し、島根県では防災計画の見直し、広域避難計画を策定され、市町村も同様な対応をとられ、防災計画を実施されています。災害時に的確な地域の情報を把握することは、みずからの身を守るために大変重要であります。一般の人にとって災害時の情報収集手段としてはテレビ、ケーブルテレビ、ラジオ、インターネット、携帯電話、防災行政無線などがありますが、災害にはさまざまな状況があり、完璧な対策と言えるものはありません。

特に、高齢者などの情報弱者には、情報通信手段である電子機器の操作は難しい場合が多く、そういった電子機器を持っておられない場合も多いと思います。その点、ラジオは購入価格も安く、大体の御家庭に少なくとも1台は持っておられ、操作も簡単であります。高齢者などの情報弱者にとって、NHKラジオ放送による地域情報は、災害対応の選択肢を増やす意味で大変重要であると考えます。どのような対応をとられてきたか、お伺いいたします。

(防災部長)

NHKラジオ放送に関しての御質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。

ラジオは停電のときであっても、電池だけで長時間放送の受信ができ、また手軽に持ち運べることができることから、災害情報を入手する手段として非常に有効であると考えております。一方、受信する場所の地理的あるいは地形的条件や外国放送の混信などによって聞こえないとか聞き取りにくいなど、良好な受信ができないという問題も現実にあります。

県から、これまでもNHKに対してこうした状況の調査や受信対策をお願いしております。NHKでは良好な受信ができない地域の状況調査や受信対策の努力をしていただいておりますが、1つには、やはり地理的、地形的な問題がある、2つには、新しい周波数の放送をしようと思っても空き周波数が現状では不足しているので、新しい周波数帯の確保が非常に困難である、3つには、では既存の放送の電波の出力を強くすることによって対応しようとしても、強くすることによって新たな混信の発生の心配をしなければいけない、こういうような問題があって、なかなか対応は難しいというお話も伺っております。

しかしながら、議員が今御指摘いただきましたように、災害情報を住民の方々に適切に迅速に提供することは極めて大切なことであります。NHKに対しては今後とも努力をお願いするとともに、よりよい工夫ができないかなど、NHKと私どもとの間で意見交換を行ってまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

(かもと)

また、そもそもNHKラジオ放送は公共放送という重要な役割を担う主体であります。放送法第1条には以下のように記されています。この法律は、次に掲げる原則に従って放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とするとして、第1に放送が国民に最大限普及されて、その効用をもたらすことを保障することとされています。また、第15条においては、放送を遂行する主体である日本放送協会、NHKの目的として、協会は公共の福祉のためにあまねく日本全国において受信できるように、豊かで、かつよい放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩、発達に必要な業務を行いとしております。

NHKラジオ放送は生活に欠かせない情報、生活に役立つ情報を地域の住民の皆さんに届け、生活に潤いと活気をもたらしてくれ、地域振興にもつながる大変重要な役割を担っていると思いますが、聞き取りにくい地域の解消に向けてのNHKへの働きかけについて、今後のお考えを伺います。

(地域振興部長)

私のほうからは、NHKラジオ放送に関して2点お答えをいたします。

まず、NHKラジオ放送の内容が十分に聞こえない地域についてでございますが、NHK松江放送局に照会いたしましたところ、地理的条件や外国放送との混信などにより、昼間は、議員も御指摘がございましたが、安来市の南部であるとか県西部の山間部において、夜間は海岸地域や山間地域の一部でそれぞれ聞き取りにくい状況があるというふうに聞いております。

次に、聞き取りにくい地域の解消についてのNHKの働きかけについてでございます。

昨年10月末の放送免許の更新に伴う再免許の交付に際し、総務大臣からNHK日本放送協会に対しまして、ラジオ中継局の整備、受信相談への適切な対応など難聴、いわゆるラジオが聞き取りにくい地域の解消に一層努めることとの要請書が出されております。

NHKのこれまでの対応につきましては、先ほど防災部長が答弁したとおりでございますが、引き続き県内のラジオが聞き取りにくい地域の解消に向けまして、NHKに対して要望してまいる考えでございます。

以上

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