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島根県議会における主な質問(平成26年(2014年)6月定例会一般質問)

平成26年(2014年)6月定例会(一般質問)

平成26年6月定例会一般質問

 

1.県内優良企業を表彰する制度について

2.県内企業の海外への事業展開(直接投資)支援について

3.宝塚市上水道貯水槽への少年侵入事件について

  1. 2017年導入予定のJR寝台列車について
  2. 島根県県有財産利活用方針と今後の計画について

 

1.県内優良企業を表彰する制度について

(かもと)

議席番号2番、嘉本祐一でございます。具体的な御答弁をよろしくお願い申し上げます。

まず、県内優良企業を表彰する制度について伺います。

先日、島根県立大学において、中小企業実務という講座を聴講してまいりました。その中で、講義担当の法政大学大学院教授の坂本光司教授は、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞についてお話をされました。

「日本でいちばん大切にしたい会社」とは、坂本教授がみずからの著書「日本でいちばん大切にしたい会社」の中で提唱した考え方であります。企業には5人のパートナーを幸せにする責任があり、その責任を実践している会社だということでございます。その5人のパートナーとは、まず第1に社員とその家族、第2に下請企業とその家族、第3に顧客、第4に地域社会、そして最後に株主という順番の5人ということでございます。この5人を順番に大切にしていくことが社員の労働意欲を上げ、下請企業や顧客から、そして地域社会から共感を呼び、好業績につながり、株主の利益にもつながるということであります。何千社という企業をみずからの足で訪ねられ調査された上での同教授の洞察であり、この本が大変な勢いで売れていることが、日本の経営者、そして社員の中にたくさんの共感者がいることの証左ではないかと考えます。

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞は、坂本氏が教授を務める法政大学、日刊工業新聞社などにより主催される賞で、民間企業の協賛を得、また経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞も設けられております。ことし3月20日に、法政大学の市ヶ谷キャンパスにおいて、第4回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞授賞式が開催されました。その記念講演の講演者として、我が島根、大田市に拠点を置く中村ブレイス株式会社の中村俊郎代表取締役が登壇されたことは、何か御縁があると感じざるを得ません。

「シリコンバレーからシルバーバレーでの40年の歩み」と題する講演で、パンフレットの講演要旨には、まだ日本に義肢装具の知名度が低かった時代に、過疎が進むふるさとでたった一人で創業した会社、それが中村ブレイスです、ずっと弱者の視点に立ち、弱者のためにものづくりを続けてきた会社です、効率にこだわることなくじわりじわりと評価を高めていった中村ブレイスは日本一へんぴなところにある会社です、しかしこの会社に今では首都圏はもとより日本中から入社希望者が集まり、世界中からお客様が集まるようになっていますと書いてございます。

この大賞の募集要項には、表彰の対象として、企業が本当に大切にすべきことのさきの5つの順番を守り、社員とその家族の幸福、外注先とその社員の幸福、地域社会の幸福を実現する行動を継続している会社としております。そして、応募資格として、過去5年以上にわたって以下の5つの条件に該当していることとしております。それは、1、人員整理、会社都合による解雇をしていないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)、2、下請企業、仕入れ先企業へのコストダウンを強制していないこと、3、障がい者雇用率は法定雇用率以上であること(常勤雇用50人以上の会社の場合)、4、黒字経営(経常利益)であること(一過性の赤字を除く)、第5に、重大な労働災害がないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)ということであります。

これらの条件やその他の選定方法については、さまざまな議論がありましょう。それぞれの条件のそもそもの必要性や優先度、経営指標の採用の仕方や優先度、定性的な要素の判断など、意見が分かれるところもたくさんあると思います。しかしながら、特に雇用の安定という視点で表彰基準を考えられるという点では、行政や政治に携わる者の立場からいえば、安定的な雇用を確保し、県民の豊かな生活を支え、それにより税収を確保する、そしてそれが将来世代にわたる持続可能な社会保障や働く個人の充実した人生にもつながるなど、安定した社会構築につながり、大きな意味があると考えます。

島根県の大きな政策課題の一つとして、産業振興による雇用の創出がございます。雇用の創出、維持について優良な企業に対し県が表彰することについてどのように思われるか、知事にお伺いいたします。

また、県内で安定的な雇用の場を提供していただいている企業を何らかの形で県が表彰することはできないか、同じく知事にお伺いいたします。

(知事)

嘉本議員の御質問にお答えを申し上げます。

最初の質問は、雇用の創出、維持の面で優良な企業に対し県が表彰することについて所見を問うと、また県が何らかの形で表彰できないか問うと、こういうことでございます。

結論からいいますと、実は今、商工労働部のほうでそうした表彰制度を検討してるんです。私も最近報告を受けたんですけども、検討中でございます。

県内では、雇用継続あるいは拡大のために創意工夫をされてる企業とか、あるいは社員が生きがいや誇りを持てる職場づくりを進めている企業がたくさんあります。そうした企業を表彰し、広く紹介するということは、働きやすい職場の拡大につながるとか、雇用の安定につながるとか、いろんないい効果があるだろうということでございます。そこで、経済界、有識者などの意見も聞いてそういう表彰制度をつくろうということで、予定としては、今月中にも制度の内容、表彰企業を選定するための商工団体、労働団体、教育機関、有識者等で構成する委員会を設置するということでございます。

議員は、法政大学の坂本教授の「日本でいちばん大切にしたい会社」という本の内容を御紹介になったわけですけども、こちらのほうが少し広いですね、考え方が。1つは、社員と家族を大切にする、それから下請企業と家族を大切にする、顧客を大切にする、そしてまた地域社会を大切にする、5番目に株主を大切にする、そういう順番で大切にするということでございます。一つの考え方だと思います。こういうものも多分、委員会ができれば、そういういろんな方の意見など、あるいは考えなども参考にしながら表彰制度をつくっていただけるんじゃないかというふうに期待をしておるところであります。

 

 

2.県内企業の海外への事業展開の支援について

(かもと)

次に、県内企業の海外への事業展開の支援について伺います。

島根県においては、海外展開を図ろうとする機械金属加工産業、電気電子産業などの県内中小ものづくり企業を中心に、昨年度から本格的な支援をされております。当然、海外へ事業展開される県内の企業には、島根県内での雇用、特に正規雇用、また県内の設備を維持してもらうことが前提であります。海外へ事業展開をすることが県内産業の空洞化につながっては決していけないのであって、この事業展開が先ほどの雇用や工場、設備の維持拡大のために行っている事業であるという認識を私は持っております。

しかしながら、こうした支援は、どちらかというと製造業を中心に行われているのが現状であると思います。例えば、島根でレストランや小売をされている企業などが海外に進出することによって、島根の農林水産品を使ったり製品を取り扱ったりしていただければ、島根の農林水産業、製造業などの振興にもなりますし、間接的に島根への観光誘致にもつながります。さらに、レストランや小売などは、現地で従業員が採用され、島根の従業員を一時的にトレーナーなどとして現地に派遣するようなことはあっても、半永久的に外国で勤務させられるようなことはありませんし、島根県側の雇用の空洞化は起きにくいと考えられます。

先ほどの農林水産業などへの波及効果とあわせて考えると、非製造業企業への支援をすることにも大きな意味があると考えますが、どのような支援を講じておられるのか、また今後のお考えを伺います。

また、海外事業展開に関連して、ブランド支援を積極的に行っているということはよいと思いますが、外国語表記で島根とわかる言葉やロゴなど、島根を外国の消費者や事業者などに対して積極的にPRするものがないと考えます。そういうものがあれば、輸出や海外への事業展開の促進につながるとも考えますし、また外国人観光客への誘致にも間接的につながると思いますが、どのようにお考えになるか、伺います。

また、具体的な方策があれば伺います。

(商工労働部長)

まず、県内非製造業企業の海外への事業展開に対しての支援策についてであります。

県では、県内企業の海外事業展開について、製造業だけではなく非製造業に対しても同様な支援を行っております。企業の海外事業展開につきましては、1つには、しまね産業振興財団の貿易・投資アドバイザーによる個別相談、それから現地での調査活動などに対し、しまね海外販路開拓支援補助金、それから現地での直接投資に対して県制度融資の海外展開支援資金による支援を行っております。

今回タイに設けます拠点では、製造業に限らず、非製造業に対しても支援を行うこととしております。先月、海外展開を検討しておられます県内企業の方々がタイへ現地調査に行かれましたが、この中に飲食サービスが2社いらっしゃいました。お二人の経営者とも、海外展開に非常に高い関心を寄せておられます。今後も、日本貿易振興機構や中小企業基盤整備機構と連携して、非製造業の海外事業展開を支援していきます。

それから、島根を海外へ積極的にPRする具体的な方策についてでございます。

現在、農産品や加工食品の輸出支援については、日系人や日本人駐在員を主な顧客とする日系スーパーを中心に、県内食品メーカーと共同で島根フェアによる販売促進活動を実施しております。しかし、今後は、この日系スーパーに加え、現地系スーパーにも販路を拡大する方針でありまして、海外の消費者に日本の中の島根の位置、歴史、景観、文化などを知ってもらう必要があると思っております。そのためには、今まで以上に、島根と表記したのぼりや観光ポスターによる店内装飾、しまねっこ記載のチラシや外国語表記の観光パンフレットなどを工夫して、島根をPRしていきたいと思ってます。さらに、海外の方々により強く島根を印象づけられるロゴマーク等の活用も考えていきたいというふうに思っております。

 

3.宝塚市上水道貯水槽への少年侵入事件について

 

(かもと)

次に、宝塚市上水道貯水槽への少年侵入事件について伺います。

兵庫県宝塚市平井山荘の水道施設、月見ガ丘配水池で、昨年平成25年5月30日、水位計の点検のため同配水池を訪れた職員等が貯水槽にゴムボートが浮かんでいるのを発見した事件で、兵庫県警はことし平成26年5月、水道汚染と建造物侵入の疑いで、同県伊丹市や宝塚市などの16歳から17歳の少年4人を逮捕したと発表しました。どのような動機をもとにこの事件が起きたのか、最終的なところはわかりませんが、水道施設は、人命につながることから、他の施設に比べてもより高いレベルでの管理体制が求められる施設であります。施設管理に当たって、島根県でも危機管理体制の確立とともに、県民の意識啓発が必要であります。

事件についての御認識を伺います。

そして、この事件を受けた後の施設を管理する部署の今までの対応、そして市町村の管理を監督する立場としてどのような対応をされてきたかを伺います。

また、このような事件が起こることを防ぐために、今後どのような対応を考えているのか、伺います。

(健康福祉部長)

私からは、宝塚市上水道貯水槽少年侵入事件の御質問にお答えします。

まず、この事件の認識についてです。

水道は、国民の日常生活に直結し、生命を維持していくために欠くことのできない極めて重要なライフラインであります。このため、法令により、水道施設の周囲には柵や表札を設置し、また貯水槽のふたには鍵をかけるなど、水道水の衛生上必要な万全の措置を講ずることとされております。

御質問の事件は、飲料水をためておく貯水槽のふたの鍵が壊され、その中にゴムボートが浮かんでいたものでありまして、こうした行為は水道水の安全を脅かし、決してあってはならないものと考えております。

次に、この事件を受けて県がとった市町村水道に対する対応についてであります。

県は、市町村の水道事業の衛生管理の指導を行う立場にございます。平成25年6月、国からの情報提供を受け、直ちに県内全ての市町村に対しまして、水道施設の警備や情報収集体制の確立など、水道施設の防護策の徹底を文書により指導しました。また、各保健所におきましては、市町村の水道施設への立入検査を行い、柵や鍵の設置状況について重点的に点検を行いました。その結果、送水施設や配水施設について、柵の一部破損や鍵のかけ忘れなど6件の不備が見られ、是正指導を行いました。鍵の3件につきましては直ちに改善され、柵の3件につきましては今年度内に改善される予定でございます。

最後に、こうした事案の発生を防止するために今後どのような対応をするかということについてでございます。

市町村に対しまして毎年行っている担当者会議や立入検査で、水道施設の防護策などの機関につきまして引き続き指導をしてまいります。また、水道水の汚染防止措置に万全を期す上で、いたずらや不審者に関する情報提供など、住民の皆様からの協力も不可欠でございます。このため、県としては、地域の方々の協力が得られるよう、市町村に対しさまざまな機会を通じて働きかけを行うよう指導してまいります。以上です。

(企業局長)

私からは、宝塚市の上水道貯水槽への少年侵入事件について3点お答えをいたします。

最初に、この事件についてどう認識しているかということでございますが、水道は国民の生命、生活に欠かすことのできないものでございまして、貯水槽などの施設について安全で適切に管理するということは、水道事業者として果たすべき基本的な責務であると考えております。このたびの事件は、宝塚市水道局が巡視点検を含め適切な管理を長期にわたり行っていなかったこと、また少年自身も事態の重大性に気づかず安易に侵入したという両方の面で問題があったと考えます。いずれにしても、水道の安全と信頼を脅かすような事態でございまして、決してあってはならないものと考えております。

次に、同じ貯水槽の施設を管理する立場で、今までの対応はどうかということでございます。

企業局では従来より、水道法ほか各種の規定に基づきまして、貯水槽の施設周囲に防護フェンスを設置し、フェンスの出入り口や貯水槽には施錠をし、また2週間に1回の定期的な巡視点検を行うなど、安易に外部から侵入できないように、施設管理については万全を期しているところでございます。昨年6月に国から注意喚起を促す情報提供を受けましたことから、改めて貯水槽を始め全ての水道施設について巡視点検を行い、安全を確認いたしました。また、より厳重な管理を徹底するため、貯水槽の鍵の二重化を図ったところでございます。

最後に、同様の事件を防ぐための今後の対応についてでございます。

企業局におきましては、従来から、危機管理計画を策定し、各分野ごとの行動マニュアルを定めておりますが、今回のような不法侵入の事態には十分機能していない面もございます。また、最近は、他の地域で同種の侵入ですとか物品の盗難事件も発生しているところでございます。今後は、これらの事案を教訓に、防犯用のセンサーやテレビカメラの配置なども含めまして対応マニュアルの見直しを検討することとしており、施設のセキュリティー強化を図ってまいります。

また一方で、このような事件を防ぐ上では、住民の皆様の理解と御協力も不可欠であります。現在、施設には立入禁止の看板を掲げておりますが、その表示方法により注意喚起を促すような工夫を施すとか、あるいは不審者に関する情報提供の呼びかけを行うなど、地域社会全体の協力で安全管理が向上するよう働きかけてまいります。以上であります。

 

 

 

4.2017年導入予定のJR西日本寝台列車について

 

(かもと)

次に、2017年導入予定のJR西日本寝台列車について伺います。

新聞報道によると、先月21日、JR西日本は、2017年春の運行開始を予定する豪華寝台列車の概要を発表しました。1両を丸ごと使った広々とした最上級客室を含め、ホテル並みの16客室を設け、展望デッキなどから京阪神や山陰、山陽地方の風景を楽しめるようにするということであります。美しい日本を再発見する旅の提供に向けて、当面は、世界遺産などの歴史文化が豊かな地域をめぐり、車窓からは美しい風景を楽しめる、京阪神と山陰、山陽エリアでの運行を予定しているということでございます。1両当たり1室と3室の2クラスの客室を設け、定員は30名ほどだそうであります。特に、1両1室という最上級客室の車両は、世界でもほとんど例がないということでございます。

JR西日本のニュースリリースによれば、列車の基本コンセプトを「美しい日本をホテルが走る――上質さの中に懐かしさを」としております。以下、その引用であります。

JR西日本エリアには、日本の原風景とも言える京都や松江、出雲や宮島などの歴史文化が豊かな地域や、日本海や大山、瀬戸内海の多島美――多い島の美しいと書きます――などの美しい自然が数多く残っています。これらの美しい日本の姿を再発見する旅を、この特別な旅にふさわしい上質な空間とともにお楽しみいただくことを御提案します。列車全体のデザインテーマは、上質さの中の懐かしさ。非日常的で洗練されたホテルのような空間に、どことなく懐かしさが感じられるデザインを配した車内で、流れ行く車窓を眺めながらおくつろぎいただき、改めて美しい日本のすばらしさと鉄道の旅の魅力を感じていただくことができる列車を御提供しますとあります。

さらに、寝台列車の特徴として、1、建築、工業デザイン、食事の第一人者がプロデュースする列車、2、車両のインテリアは、上質さの中の懐かしさのコンセプトに基づき、御利用になるお客様が洗練された上質さと心休まる懐かしさを感じるノスタルジックモダンテーストのデザイン、3、列車に1つしかない最上級の客室は1両1室の広いスペースとし、プライベートバルコニーやバスタブつきの本格的なバスルームを設けた世界中にも希少な客室、4、パブリックスペースとして、編成の両端に列車の前後左右の車窓をお楽しみいただける展望スペース、5、運行の途中で沿線の立ち寄り観光を組み込むとともに、列車には沿線の素材を盛り込み、沿線の魅力があふれる列車ということであります。

私は、この列車の導入は島根県にとってもチャンスであると考えます。どのように認識しておられるのか、知事にお伺いいたします。

JR西日本では、中期経営計画2017において、地域共生企業となることを掲げ、地域と一体となった観光振興の推進を目指すと言っておられます。6月10日の山陰経済ウイークリーの記事によれば、JR西日本米子支社は、日本海側での停車駅などは2年から3年かけて決める予定、具体的には、協定を結んでいる島根、鳥取県などと連携し、地元食材の食堂での提供や車内での工芸品の展示、停車後の観光プランなどを検討していくということでございます。また、島根県、広島両県の沿線6市町でつくるJR三江線改良利用促進期成同盟会が誘致を要望されたり、既に基礎自治体も誘致に取り組もうとされております。

今回の豪華寝台列車については、車窓から入ってくる景観も含め、商品に含まれると言ってもよいと思います。窓から見える風景が、「美しい日本をホテルが走る――上質さの中に懐かしさを」という基本コンセプトから余りにも離れているようではいけません。そういう意味で、景観形成、維持から、立ち寄り観光の内容、受け入れ態勢、列車内の食事、内装品、車掌などの職員の対応に至るまで、お客様が満足する体験を提供するためには、まさに地域と一体となった観光振興の推進が必要でありましょう。この新しい寝台車導入をきっかけに、島根県内のさまざまな産業分野において経済波及効果を高めていくという意識的な取り組みが必要であります。

島根県としてどのように県内自治体、団体などと連携して取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

(知事)

次に、JR西日本の新たな寝台列車についての御質問でございます。

JR西日本は、京阪神、そして山陰、山陽をめぐる豪華な寝台列車を走らせると、こういう計画を立てておられるわけであります。そういう列車が山陰、鳥取、島根を走っていく、路線が決まってるわけじゃありませんけども、そういう列車が走ること自体が非常に大きなPR効果を持つんではないかというふうに思うわけでございます。県内各地でも、通ってもらいたいという要望もございます。よくJR西日本と相談をしていきたいというふうに思います。

実は、議員も御紹介になったわけでありますが、県とJR西日本米子支社とは、2年前の山陰デスティネーションキャンペーン、これが古事記1300年のキャンペーンにつながっていくわけでありますけども、それを受けまして、米子支社と、観光や地域振興の面で連携協定を昨年7月に結んでおります。こうした関係を生かしながら、寝台列車の運行に向けて県としても全力的に協力をしていきたいというふうに考えております。

 

(商工労働部長)

新たな寝台列車についてです。

JR西日本では、新たな寝台列車を通じて食や自然、歴史文化といった地域資源の活用や国内外への情報発信により、地域の活性化につなげていきたいとのことであります。県としても、この計画に協力していくため、先般、6月10日でございましたけども、JR西日本米子支社との連携会議を開催して、米子支社と県庁関係部局によるワーキングチームを7月に立ち上げることとしました。JR西日本からは、このワーキングチームでまずは県内全域にわたる有形無形の資源の掘り起こしから進めたいとの提案がありました。今後の検討に当たっては、市町村や民間団体との連携が必要となるため、当面は県が窓口となって市町村等との連携を図ってまいります。県としては、この寝台列車を契機として、市町村や民間団体のアイデアを生かした新たな観光素材の開発や地域資源の活用が進み、地域経済への波及効果が高まっていくよう取り組んでまいります。

 

 

5.島根県県有財産利活用方針と今後の計画について

 

(かもと)

最後に、島根県県有財産利活用方針と今後の計画について伺います。

少子高齢化が進み、県人口が70万人を切った中、また依然財政の厳しい状況の中で、産業の振興、雇用の確保、安全・安心な県民の生活の確保、医療、福祉の確保充実、中山間地域、離島の振興、教育の充実、文化、歴史の保存と活用など、島根県は県民のさまざまなニーズに応えていかなければなりません。そのためには行財政改革を行わなければなりませんが、その中で、ことし4月に策定された島根県県有財産利活用方針が示す県有財産の有効な利活用の推進が大きな柱になります。同方針にも言及されておりますが、毎年県人口が約5,000人減少を続けている中で、県民1人当たりの施設延べ床面積は全国で最も大きくなっており、今後の県民負担を考慮した施設総量の見直しが必要であります。

私は、県民の皆様に県議会に送り込んでいただいて以来、行財政改革の推進手段として、この県有施設管理についての質問を一貫して行ってまいりました。執行部におかれましては、私の時には粘着性の高い質問にも真摯に答えていただき、これまで県有財産の有効活用、施設の長寿命化、保有財産の適正化などについて建設的な取り組みをされていることに対し、敬意を表するものであります。

私は、今までの質問の中で、実効ある県有施設の管理を進めるためには調査やデータベースづくりが大切であること、そして施設管理にはトップのリーダーシップと部局横断的な取り組みが必要であること、全員参加が大事であること、そしてそれを担保する部局横断的な方針や計画が必要であることについて強調してまいりました。今回の島根県県有財産利活用方針は、全庁的な共通認識のもとで調整を行い、施設の共同利用等による集約化、施設の計画的な保全、不用財産の売却等を進めることにより県有財産の有効な利活用を推進することを目的としますとあり、知事部局、教育委員会、警察本部全体の取り組みの方針であると理解をしております。

しかしながら、島根県の公有財産の取得、管理及び処分に関する規則によれば、その第4条において、行政財産に関する事務は、当該行政財産の用途に従い、それぞれの部長等が所掌するものとするとしており、その部長等には、局の長、部の長、教育長、警察本部長などとしております。つまり、それぞれの部長等が別々に管理をするということであります。

それではいけないということで、第6条において、総務部長は、公有財産の取得、管理及び処分の適正を期するため、公有財産に関する制度を整え、その取得、管理及び処分の事務を統一し、その増減及び現況を明らかにし、並びにその取得、管理及び処分について必要な調整を行うものとすると。2として、総務部長は、必要があると認めるときは、部長等に対し、その所掌する公有財産について、その状況に関する資料の提出もしくは報告を求め、または管財課長をして実地調査をさせることができるとしています。原則としてそれぞれの部長等が個別に管理すること、何か部長等の間で利害関係が生じたときは必要な調整を行うという緩やかな表現になっております。しかし、さまざまな調整を行いながらも、部長等の間で利害関係の解消ができない場合、最終的に全庁的にトップダウンで知事が決定していかなければ、県有財産の有効な利活用の推進による行財政改革は進まないと考えます。

そこで、確認の意味で伺います。

地方自治法の238条の2には、普通地方公共団体の長は、すなわち知事は、公有財産の効率的運用を図るため必要があると認めるときは、委員会もしくは委員またはこれらの管理に属する機関で権限を有する者に対し、公有財産の取得または管理について報告を求め、実地について調査し、またはその結果に基づいて必要な措置を講ずべきことを求めることができるなどとし、いわゆる公有財産に関する知事の総合調整権を付与しております。この島根県県有財産利活用方針は、知事部局全体、教育委員会、警察本部にまで及ぶと理解していいのか、つまりこの方針に基づき、知事の総合調整権により、各部局長、教育長または警察本部長に対して、その管理下にある県有施設管理について報告を求め、実地について調査し、またはその結果に基づいて必要な措置を講ずべきことを求めることができると理解してよいのか、知事にお伺いいたします。

最後に、5月21日の総務委員会で報告されたこの方針の具体的な取り組みの内容と、9月末までに策定される予定の行動計画についてどのようなものになるのか、その大要を伺います。

以上でございます。よろしく御答弁をお願いいたします。

 

(知事)

県の県有財産の利活用についてでございます。4月に県有財産利活用方針というのを定めました。その中では、教育委員会、警察本部を含め全ての部局に適用するというふうにしております。そういう意味で、当然県全庁的に県有財産の利活用を進めていく考えでございます。以上です。

(総務部長)

私からは、県有財産利活用方針とその行動計画についてお答えいたします。

この方針は、県有財産の利活用に関する基本的な考え方を定めたものでございます。県有財産の有効活用、施設の長寿命化、保有財産の適正化を取り組みの3つの柱としております。

少し例示をいたしますと、県有財産の有効活用といたしましては、松江保健所を他の県有施設へ移転するなど、こういったことを想定をいたしております。2番目の施設の長寿命化といたしましては、現在行っております県庁舎等の耐震補強工事などを考えております。3つ目の保有財産の適正化といたしましては、不要となりました土地や建物の売却など、こういったことを一つの対象といたしております。

続きまして、行動計画につきましては、平成26年度から平成30年度までの5カ年を第1次の計画期間として、土地の売却額などの数値目標を定め、具体的な取り組みの実施予定を明らかにすることとしております。全ての部局で構成いたします県有財産有効活用推進委員会について現在検討をいたしているところでございます。以上でございます。

(かもと)

再質問をさせていただきます。

知事さんは紳士でもあられますし、政治スタイルといいますか、そういうもので遠慮しておっしゃってたのかなというふうに思いますが、先ほどの県有財産の利活用方針のところでございます。私が確認したかったのは、地方自治法に取り決められておる総合調整権は知事にあるということでございます。この辺について、統治の問題でもあると思いますので、私からあえてお聞きしますが、もう一回、その総合調整権があり、何らかの事態が発生した場合には行使されることがあり得るのかということについてお聞きしたいと思っておりますので、御答弁をお願いしたいと思います。

そして、教育長さん、そして警察本部長さん、こういった方針が決定されました。先ほどの知事の総合調整権、これがあると、この方針を具体的に実現化する、そしてこの方針にある具体的な取り組み、これについて全面的に全庁的に一体となって、この調整権の存在も含めて全庁を挙げて取り組んでいくということでよいのかどうか、確認をさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

 

(知事)

お答えいたします。

地方自治法の規定の詳細までは私は承知をしておりませんでしたが、お聞きをしていながら考えたわけですけども、多分、戦後、戦前の体制がなくなりまして、地方自治が始まって、戦前はいろんな教育だとか警察だとかいろいろ、ある意味で国家機関でございますから独立をしてやってた、そこでそういう規定が入ったんではないかと想像するんですが、地方自治の主体はそれぞれ市長であり町村長であり知事ですから、ある意味で総合調整するのは当たり前のことなんでありまして、多分それが法律に入ったのは、多分そういう戦前から戦後につながるときにそういう規定が入ったんではないかと想像いたします。いずれにしても、知事が全体に責任を持ってるわけですから、それに対応して行政を行ってまいります。

 

 

(教育長)

教育委員会としましても、県有財産利用方針に基づいて財産の利活用に努めてまいります。

(警察本部長)

県警察におきましても、今後、この県有財産利活用方針に基づきまして財産の利活用に取り組んでまいる方針でございます。

 

以上

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