先月6月13日に閣議決定された地方創生2.0基本構想の中に、大きな視点の一つとして、「若者や女性にも選ばれる地域づくり」があります。参議院議員選挙を機会に、私の思いの一端を書き記します。
多くの島根の若者が地元の高校や大学を卒業して、県外に就職します。
要因としては、就職の機会が島根県より県外の方が多かったり、給与の面で高かったり、あるいは、都会では従来の男女の固定的な性別観が地方と比べより少なく、他人の目を気にせず、のびのびと仕事や生活ができるというようなこともあるようです。
実は政府の行動を待つまでもなく、島根には多くの魅力的な就業の場がありますが、さらに起業支援や企業誘致などの支援を継続的に行うとともに、力はありながら後継者のいない事業所に対して事業承継支援をしていくことが必要です。IT関連産業、観光、農業、飲食なども伸びしろのある産業ですし、これからは外国の企業でも顧客はもとより従業員や地域を大切にする企業であれば、誘致をしていくべきだと思います。伝統工芸(匠の技)にかかわる産業も、規模は小さいかもしれませんが、時代の変遷とともに見直されていく職場だと思います。安来でも金工品を作って成功されている事業者がおられます。
島根の企業は中小企業が多いですので、従業員数は少なく、そこで働く若者はその分任せられる仕事も広範囲で、学ぶことも多いはずですし、より大きな責任も若い頃から任されます。自分が輝ける、あるいは、夢を追える職場があるにもかかわらず、そうした島根の企業に出合えずに、都会に出てしまう若者も多いのではないでしょうか。給与が都会地と比べると安いと言われますが、その分生活費も都会地と比べて安上がりです。塾・学費などの教育費や子育てにかかる費用も安いですし、満員電車や交通渋滞に悩まされることはありません。豊かな自然にも恵まれ、犯罪も比較的少なく、安心して子育てをすることができます。
最近アンコンシャス・バイアスとも言われますが、地域社会の中には、「男は仕事 ・ 女は家庭」、「お茶くみは女性社員に」等の固定的な性別観に関わる偏見があると言われています。このような偏見が若者や女性がふるさと島根を離れる理由の一つになっている可能性もあります。地域社会の構成員である私たちの意識的な勉強や研修の機会の確保など、工夫をしていかねばなりません。
また、お仕事から離れた私的な生活の中で、若者や女性が望むならば社交、「つながり」ができるスペースが必要です。それは居酒屋やレストラン、カフェであったり、地域の伝統行事(祭りなど)であったり、スポーツ・レジャー・など趣味の場であったり。実はこういったスペースを支えているのが事業者であり、地域です。事業者の創意工夫とそれを支える地域や行政の協働が必要だと思います。・・・など。