2017/12/08 12:35:21 テーマ:政治・経済
島根県の人口が減少している。ご案内のように日本全体も大都市圏を除いて同じような傾向である。
ちなみに、平成27年度の国勢調査(5年毎に調査)によれば島根県では、平成17年~平成22年の間に▲3.3%、平成22年~平成27年の間に▲3.2%減少している。(▲はマイナスをあらわす。)
H17~H22⇒ H22~H27
島根県 ▲3.3% ▲3.2%
安来市 ▲4.6 ▲5.5
雲南市 ▲5.6 ▲6.9
松江市 ▲1.0 ▲1.1
出雲市 ▲1.3 0.3
大田市 ▲6.7 ▲7.4
江津市 ▲7.5 ▲4.8
浜田市 ▲2.1 ▲5.8
益田市 ▲4.5 ▲4.6
町村は割愛させていただいたが、海士町の例外を除いては(▲8.0⇒▲0.9)さらにその傾向が強く、出雲地域(▲2.2⇒▲1.9)よりも石見地域(▲5.4⇒▲6.1)の方が減少率が大きい。隠岐地域(▲8.5⇒▲5.0)も減少幅は出雲地域よりも大きい。
それぞれ自治体においては人口構成、動態など異なり、この数字を持って判断はできないことはお断りしておかなければならない。また、人口減少を悪いことと決めつけることもよくないと思っている。自治体にはそれぞれ「これぐらい」というようなバランスがあって、身の丈に合った運営をして、住民が幸せであればそれでよいという考え方もあろう。ただ、私は、地域が元気になるためには、そして安定的な財政を保つためには、人口維持、人口増が望ましいと思っている。
さて、人口動態(人口の増減)には自然的(出生-死亡=自然動態)なものと、社会的(転入-転出+その他増減=社会動態)なものがあるとされている。
島根県、県内各自治体が連携して、自然動態、社会動態をプラス(人口を増加させる)にする施策あるいは維持していく施策はたくさんあるが、なかなか即効性のあるものはみつからないのが現状だ。
コストと効果を検証しながら、コツコツと地道な施策をとっていくことが大事だと思う。
数多くある施策の中でも最近私が試してみてはと思う施策のうちの一つに、「地域総合事業会社」(勝手に私が仮称)がある。
実は、先般、自民党でも同じようなことを議員立法で行う検討をされていることを聴き、大いに意を強くしたところである。
地域で安定した職があることが、人口対策の大きな条件のうちの一つだが、特に中山間地域や過疎地域では職がない。季節的な仕事、短期間の仕事はぽつぽつあるのだが、まとまった職がない。
そこで地域の農業、福祉、建設、施設管理、交通、飲食、買い物、お墓の維持などさざまな業種にかかわる仕事をまとめて、法律で位置づけをされた「地域総合事業会社」を民間で立ち上げ、請負い、そこに定住者が就職するというもの。さまざまな仕事があり、大変ではあるが、定住者にとってはまとまった収入を得ることができる可能性が広がる。経営者はやはり民間事業経営の経験が豊富で、才覚のある人が務めなければ立ち行かない。地域あるいは地域外で定評のある方にお引き受けいただく。それを行政が可能な範囲で支援していくというようなもの。地域コミュニティーや国土や景観を維持していくことにもつながる。
施策に完璧なものはない、失敗することを恐れていたら前に進めないのも事実。間違えたら改めればよい。コツコツと地道に施策を講じていくことに加え、新しいことにもチャレンジしたい。