かもと祐一オフィシャルサイト ホーム

このページの位置: Home > 活動日記-blog- > 政治・経済 > 議会 > 島根県議会における主な質問(平成24年(2012年)6月定例会一般質問)

島根県議会における主な質問(平成24年(2012年)6月定例会一般質問)

平成24年(2012年)6月定例会(一般質問)

【主な質問テーマ】

〇社会人の職業教育について

〇県民文化祭について

〇県有施設管理の外部化について

〇外国人観光客誘致について

〇工場立地法について

〇メガソーラーの誘致について

〇登下校中の児童を巻き込んだ事故防止について

1.社会人の職業教育について

島根大学と連携し、講座開設、専門職大学院創設について働きかけを

(かもと)

第1に、社会人の職業教育について伺います。

今、世界経済、日本経済が揺れております。欧州各国政府の信用危機に端を発する金融不安、中東情勢等の不安定化に加え、日本経済は六重苦を抱えていると言われるようになりました。世界と比べ高い法人税率や労働コスト、温暖化ガスの削減目標、自由貿易協定のおくれによる交易条件の悪化、円高と電力不足であります。そして、社会の抱える課題に目を向けますと、少子超高齢化、地域間格差の広がりなどもあり、これらが日本経済に与える影響も大きなものがあります。

そうした中で、国内産業の空洞化が特に懸念されますが、空洞化のもとでは、既存の同業者が同時に経営困難な状況に陥り、働く側から見れば、同じ産業内での移動が困難となるというのが、諸外国の事例で見てとれます。それまで雇用されていた産業から別の産業へ移動せざるを得ないのが現実です。

ところが、その別の産業でさえ空洞化をしてしまうという現実もあります。例えばサービス業であります。製造業からサービス業へと産業を超えて転職する人の割合は上昇しておりますが、情報通信技術の発達により、サービス業務すら海外に外注することが可能な時代となりました。コールセンター、情報処理などがその典型的な例であります。雇用のミスマッチというような問題もございます。

島根県の産業も、こうした大きな産業構造の変化に対応し、何としても県内で雇用を守り、雇用を増加させていくようにしていかなければなりません。そのため、力のある企業の誘致を推進していくことが大変重要でありますが、内発的な産業振興も大変重要であります。特に、島根県内にある既存の企業は島根に根づき、経営環境が急変したからといって突然県外へ撤退するというようなことはありません。

誘致企業にしろ県内の既存の企業にしろ、事業拡大、新事業を創出、異業種へ進出などしていくためには、何よりも人が重要であり、事業の中核を担う人材、幹部候補者の育成を徹底していかなければなりません。島根県においては、県内で仕事をしようという決意を持った若者たちもたくさんおられます。こうした人たちは、学校を卒業して県外に就職した人たちとは違って、事業環境や雇用環境が変化したからといって簡単には県外の企業へ移ったりはいたしません。地域に愛着を持った人たちを育てていくということが、島根県経済の発展、ひいては雇用の安定化につながっていくと考えます。

こうした人材育成の恩恵は、製造業、建設業、小売業、金融業、サービス業などの民間企業に限りません。先日、私は、筑波大学経営大学院、香川大学経営大学院に視察させていただきました。そこでは、自営業者、農業経営者、病院経営者、行政職員、そしてJA職員に至るまで、幅広い経歴を持つ社会人に対して、経営に関する専門的な職業教育を実践しておられました。教授陣の皆さんとの意見交換はもとより、授業にも参加させていただき、在校生の皆さんと懇談もさせていただきましたが、異業種交流も含め、それぞれの立場で大変有意義な勉強、研究をしておられるということがわかりました。

そこで、伺います。

島根県においては、島根大学と連携した企業の幹部候補者などを対象とした職業教育を実施していないと伺っております。企業の幹部候補者などを対象とした経営に関する体系的な専門知識を教育する環境が必要だと考えます。その環境づくりのために、県境を越え、地域の経済界、行政、大学が連携し取り組んでいく必要があります。

島根県と鳥取県の人口の中心は宍道湖・中海圏域であり、そこに立地する島根大学が経営に関する専門教育を担うに適任であると考えます。島根大学と経済界、行政が連携し合い、企業の幹部候補者などを育成するための講座の開設、ひいては専門職大学院の創設といった教育環境を整備することが、島根県経済、山陰経済の発展、構造転換、雇用の増加、地域の発展に貢献すると考えます。御所見を伺うとともに、その実現に向けて、県が中心となって島根大学や経済界と連携し、その体制づくり、具体的な事業構築を進めていく必要があると考えますが、御所見を伺います。

(知事)

嘉本議員の御質問にお答えを申し上げます。

最初の質問は、島根は産業振興、雇用の場がふえることが大事だと、そういう面で人が大事であると、特に企業の経営に携わる人たちが広い知識を持ち、そうした方々が経済をリードしていく、そういう観点から、島根大学や経済界と連携してその体制づくりはできないかと、具体的な事業構築を進めていく必要についてどう考えるかという御質問でございます。

御指摘のように、企業経営に携わる方々が経営に関する高度な専門知識を身につけるということは極めて大事だと思います。県では、そうしたことから、例えば昨年度から、東部と西部の高等技術校におきまして、企業の幹部候補生向けに、企業内における人材をどういうふうにして育成したらいいのか、あるいは企業経営に関するいろんな諸指標などをどういうふうに学んだらいいのか、短期的、3カ月間でございましたが、5回でございますけども、マネジメントセミナーというのを開催をいたしました。両校とも定員の20名を上回る受講者がございまして、手ごたえがあるなと、こういうものに対する関心が高いなというふうに感じたとこでございます。このセミナーには島根大学は入っておりませんが、各業界から企業の部長さんでありますとか課長さん、現場で現実にやっておられる方々が講師となったり、あるいは公認会計士の方々が講師としてされたり、そうした面では、若い企業経営の幹部候補生たちには非常に役に立つセミナーではなかったかと思います。

ただ、議員は、そうしたものをさらに強化をすべきではないかということでございます。島根大学につきましては、経営学という学科は従来ないわけであります。学術研究でありますとか教育でありますとか、そういう分野が中心でございましたので、実際的な経営関係は余りないわけでございますが、島根大学も地域との協力に非常に熱心でございます。ITの技術者の育成でありますとか、そういうこともやっておられますので、島根大学ともこうした問題について何か工夫の余地はさらにないか、よく経済界の方々の意見なども聞きながら検討してまいりたいというふうに思います。

2.県民文化祭について

県民文化祭の活動状況とその応募点数の減少などの原因について

(かもと)

続いて、県民文化祭について伺います。

県民文化祭は、ことしで10回目の開催ということであります。県民文化祭の前身の島根県芸術文化祭が昭和43年から開催されたときから数えると、実に45回目の開催ということで、大変歴史のある文化祭であります。

県民文化祭は、広く県民によって企画運営され、多くの県民が参加しつくり上げることによって、多彩で生き生きとした島根文化を創造し、県民の暮らしに潤いと活力をもたらすことを目的としているということでございます。また、未来の文化の担い手を育成し、文化の薫りに包まれた魅力ある島根の実現を目指す趣旨から、小中高大学等、広く若者を取り込んだ文化祭とするということで、大変意義深い活動であります。

島根県議会においても、昨年11月定例会において、議員発議により、島根県文化芸術振興条例が制定されました。私たち県民一人一人が自主性や創造性を発揮し、日々の生活に生きがいや心の豊かさを実感できる、文化の薫りに包まれた魅力ある島根の実現を目指すとしております。県民が一体となって文化芸術の振興を図っていくべきと思います。

その文化芸術振興の中心たるべき県民文化祭について伺います。

総合美術展の応募点数、入場者数、予算の推移を伺います。

応募点数の減少傾向にはどのような原因が背景にあると考えておられるのか、また近年、予算が減少傾向にありますが、その理由を伺います。

(環境生活部長)

私からは、総合美術展についてお答えをいたします。

1点目は、総合美術展の応募点数、入場者数、予算の推移と減少理由についてであります。

応募点数につきましては、第1回目、昭和43年でございますけども、860点でスタートいたしております。ピークは昭和62年度の1,340点、昨年度は660点というぐあいに減少してきてるという状況でございます。

減少の原因でございますけども、担い手となります子どもさんの減少であったり、趣味の多様化といったことによるものではないかなあというふうに考えております。

次に、入場者数についてでございますけども、会場が県立美術館となりました平成11年からのデータとなりますが、平成11年度は9,250人でございました。ピークは平成12年度の1万1,620人でございます。昨年度は1万240人ということで、一時8,000人台となった時期はございますが、ほぼ横ばいの状況でございます。

次に、予算でございますけども、平成14年度までは300万円台でございました。平成15年度から20年度までは600万円台と、さらに平成21年度以降は500万円台ということで推移をしてきております。予算といたしましては、18年度以降はやはり財政健全化という取り組みの中で減少してきておりますが、いろいろ運営を工夫しながら事業に取り組んでいるというところでございます。

今後の活動に向けて

(かもと)

これまでどのような広報活動をされ、これからどう広報活動をされていくのか、伺います。

(環境生活部長)

2点目の総合美術展の広報についてであります。

かつては総合美術展のための単独の広報予算というものを確保いたしまして、テレビ、新聞などを活用していろいろと広報いたしておりましたが、近年は予算の減少もございまして、広聴広報課の持っております広報枠、そういったものを活用して広報を行っております。また、マスメディアへの情報提供でありますとか、パンフレット、ポスター等の作成、配布などを行っております。今後も、文化団体などとも十分連携をいたしまして、できるだけ多くの機会、場面を活用しまして、効果的、効率的な広報に努めていきたいと、このように考えております。

表彰にはできるだけ知事が出席を

(かもと)

さらに、表彰について、知事に表彰式に出席していただくことが応募者の動機づけにつながると私は考えます。どういうお考えか、知事に伺います。

また、私は、何よりも若いころから文化芸術に親しむ環境づくり、文化芸術に触れ合う機会を拡大していくことが、県民文化祭の成功、文化芸術の振興に貢献すると考えております。この場をおかりして、マスメディアの皆様にも、広報活動についてこれまで以上の御支援をお願いしたいと思いますが、県として県民文化祭全体についてどのような方針で今後の取り組みをされていくのか、意気込みも含め、知事に伺います。

(知事)

総合美術展の表彰式にできるだけ出席を私自身がしたらいいんではないかという御示唆でございますが、大変大事なことだと思います。可能な限り出席をしていきたいと思います。

また、表彰式には出ない場合でも、例えば県民文化祭は絵画でありますとか文芸でありますとかいろんなことがございまして、私も例えば昨年はしまね文芸フェスティバルに参加をして、作家の阿刀田高さんなどともお話をしたり文芸関係者と交流をしたりしておりますし、しまね映画祭につきましても出席をしたり、あるいは県民手づくりの第九コンサートなどにも参加をしております。これからもそういうことに参加をしてまいりたいと思いますが、県民文化祭は多くの県民の皆さんが文化芸術に触れて、また参加をするとてもよい機会でございますので、盛り上げていきたいというふうに思います。特に中学校、高校生など若者たちが芸術文化に関心を持つ、参加をする、大事な課題だと思っておりますので、こうした面にも取り組んでまいりたいと思うところでございます。

御指摘がありましたけども、文化芸術振興条例の制定もあるわけでございます。今始めております神々の国しまね推進事業との連携も含めまして、文化芸術団体など関係の皆さんと一緒になって島根の文化芸術を振興してまいりたいというふうに考えてるとこであります。

3.県有施設の地域別施設管理業務の一元化外部委託について

現在までの進捗状況は

(かもと)

次に、県有施設の地域別施設管理業務の一元化外部委託について伺います。

前回の2月定例会の質問で伺った平成24年10月から開始される予定の県有施設の地域別施設管理業務の一元化外部委託の現在までの進捗状況について伺います。

(総務部長)

私のほうからは、県有施設の管理業務の委託に関する御質問にお答えを申し上げます。

まず1点目でございますが、現在までの検討状況についてでございます。

2月議会におきまして、県庁及び各合同庁舎を単位としました一括外部委託をすることとし、時期につきましては、本年10月に西部地区、平成25年4月に東部地区、平成25年10月に県庁及び隠岐地区と順次実施する方向で検討を進める旨の御答弁を申し上げたところでございます。その後、委託することになります具体的な業務事、例えば設備補修点検業務でございますとか警備業務でございますとか、あるいは清掃業務など性質が異なる業務を一括委託した場合に、果たして効率的、効果的な運用が担保し得るのか、また業務を委託した後の県の役割をどのように考えていったらいいのかというようなことにつきまして、詳細な制度設計について検討をいたした結果、すべての業務を一括ではなく、各業務の性格にかんがみ、警備業務でございますとか清掃業務など8つの分野に分けて委託をすることとしたところでございます。また、関係の方々への周知というような点から、西部地区につきましても東部地区と同じ平成25年4月からの実施をすることといたしました。

どのように施設管理の継続的改善を促していくのか

また、この外部委託に際し、答弁の中で、県は委託業者が仕様書に基づき適切に業務を実施しているかどうかということをチェックしていくということでございますが、その中でどのような手法でコスト削減や委託業務のレベル向上など施設管理の継続的改善を促していくのか、その手法について現在のところまでのお考えを伺います。

(総務部長)

次に、施設管理の継続的改善の手法についてでございますが、今回考えてございます施設管理の委託でございますが、これまでは知事部局の各課各施設が個別に発注をしておりました73施設についてでございますが、県の業務といたしまして一元的に発注をすることによって事務の効率化を図っていく、また施設によりばらつきがございました委託業務仕様書、これにつきましては標準化を進めることによって無駄な部分を省き、コストの縮減を図っていく、また受託業者の業務の確実な履行を担保するために県のほうで具体的な仕様を作成していくというようなことをすることにしておるところでございます。さらに、これまで保守管理が必ずしも十分とは言えなかった合庁以外の単独庁舎についてでございますが、これにつきましては新たな取り組みといたしまして、定期点検を業者に委託をする、また県の職員が施設の現状を調査し、図面など維持管理に必要な資料の収集整理を行う、またこれも県の職員が定期的に建物や設備の劣化状況の調査を実施し、今後10年間程度の維持保全計画書を作成し、計画的な修繕を行っていくというようなことを行うことによりまして、長期的な視点に立った保守管理に努めることとしておるところでございます。こうした手法によりまして、維持管理の効率化や施設の長寿命化を図っていきたいと考えているところでございます。

防災対策全般にわたって悪影響がないか

(かもと)

さらに、一例として、県有施設が防災拠点である場合があると伺っております。この一括外部委託導入によって、島根県の防災対策全般にわたって悪影響がないようにと考えておりますが、どのように対応されるか、お考えを伺います。

(総務部長)

最後に、防災対策との関係での御質問がございました。

今回の委託でございますが、施設の運用そのものを委託をするというものではなしに、設備点検などの施設管理の個々の業務について外部委託をするものでございます。したがいまして、受託業者と県の職員が受託後も適切に役割分担をし、受託業者に任せきりにすることなく、適切な施設管理を行い、各施設をよりよい状態に保っていくということが、防災対策上も重要なことであるというふうに考えておるところでございます。以上でございます。

4.外国人観光客誘致について

外国人観光客誘致にあたってのビジョンは

(かもと)

続いて、外国人観光客誘致について伺います。

先ほど園山議員の質問にもありましたので、重複を避けながらも、具体的な御答弁をお願いしたいと考えます。

我が国におきましては、平成19年1月に観光立国推進基本法が施行されました。そして、島根県議会におきましても、平成20年3月にしまね観光立県条例が定められております。要はどちらとも、地域の資源を生かして地域に誇りを持つとともに、観光を人々が暮らしていくためのなりわいとして振興していきましょうという趣旨であろうかと考えております。

先ほどの質問でもありましたように、島根県の外国人観光客宿泊客数は伸び悩んでいるということでございますが、円高や世界的な経済の不透明性などの向かい風もあるにもかかわらず、私は日本の自然、歴史、伝統、文化、産業や、クールジャパンと言われるような現代の文化、芸能、生活スタイルなどに対する日本への関心は高く、日本政府の観光振興施策と相まって、大局的、長期的に見てこれから増加することは間違いないと考えております。島根県におかれましては、しまね観光アクションプランが策定され、その中でも外国人観光客の誘致推進が掲げられております。

そこで、伺います。

島根県の外国人観光客誘致の課題は何だと認識されておられるのか伺います。

(商工労働部長)

まず、外国人観光客誘致の課題についてですが、大きな課題としては、島根県の認知度の低さにあります。例えば欧米からの旅行者に重宝されている旅行ガイドブックを見ても、島根の取り上げ方は極めて少なく、日本各地を紹介した約500ページの中、島根県の紹介はわずか5ページ程度しかありません。また、台湾の書店でも何十種類もある日本旅行向けのガイドブックで、島根を取り上げているものは2種類しかないのが実情でございます。

2つ目としては、県内における外国人観光客の受け入れ態勢がまだ十分に整っていないことがあります。例えば団体客を積極的に受け入れようとする宿泊施設が10に満たないことや、主要な観光施設では一部で充実してきたものの、外国語による案内表記がまだ少ないことも挙げられます。また、個人の観光客が県内を周遊する場合も、公共交通機関の利用情報や効率的な周遊ルートの情報、あるいは万一の際の医療機関情報など、安心して旅行ができるきめ細やかな情報提供についてはまだまだ十分でないということも課題でございます。一方で、海外からわざわざ島根に足を運んでいただいた方々に心のこもった接遇ができるよう、県民全員でおもてなしの心を醸成していくことも大切だというふうに考えております。

(かもと)

知事は島根県へ外国人観光客誘致を進めるに当たってどのようなビジョンを描いていらっしゃるのか、伺います。

(知事)

次に、外国人観光客の誘致についての御質問がございました。

どういうビジョンで進めるのかと、いろんなビジョンがあると思いますけども、幾つかの論点を申し上げますと、やはり島根には島根らしい、ほかの地域にはない、あるいは少ない特色、魅力があるわけでございまして、そういうものをやはり総合的に県外の方々あるいは外国の方々に知っていただくということが大変大事なことだというふうに思います。そういう面から見ますと、島根の豊かな自然、古きよき文化歴史、地域社会、そんなものがあるわけでございますが、今始めております神々の国しまねのプロジェクトもそうした観点から始めておるわけでございます。特に、古代の世界におきましては出雲神話が大きなウエートを占めておりましたように、それが島根の大きな魅力であり特色でございます。そういうものをよく県内外、国外にも知っていただくように努めてまいりたいというふうに思います。そういうことに対してPRも一生懸命やっていくということが第1でございます。

第2は、そうしたもの、県の活動が一過性のものにとどまらないように、息長くやっていくということが大事ではないかというふうに思うところでございまして、これが2点目でございます。

3点目は、県民全体が島根の魅力をよく知り、そうした島根に愛着を持ってる、それが県外から来た人たちにわかるようにおもてなしをする、そうしたお客さんを受け入れる気持ちと申しますか、そういうものを醸成するということが大変大事じゃないかと思います。それが3点目でございます。

それから、観光はやはり島根だけでは今の時代いけないわけでありまして、鳥取の島根県でありますとか広島、岡山、航空路にしましてもそういうところを活用もする必要があるわけでございまして、広域的な観光に心がけていくということがございます。これが4点目でございます。

それから、5点目として、観光地のいろんな整備をする、あるいは先ほどの園山議員の御質問にありましたけども、インフラの整備でありますとか、あるいは道路標識の整備でありますとか、そういうものを整備をして、お迎えする方々が不便がないようにする、あるいは外国語による標識なんかもそうですね。そういうことを努めてまいりたいというふうに思ってるところでございます。以上であります。

外国人観光客誘致の戦略は

(かもと)

私は、外国人観光客誘致を進めるに当たっては、人、物、金、情報の4つの視点が大事だと思っております。人、物、金、情報というのは、わかりやすいように便宜的に申し上げましたキーワードでございます。

例えば人について言えば、プロの観光ガイドやボランティアの観光ガイドをどのように育成し配置していくのか、タクシーの運転手や旅館の職員さんへの教育もあるでしょう。また、地域では、外国人観光客誘致のための山陰国際観光協議会という組織を立ち上げられておられますが、地域の産官学民でどのように外国人観光客を誘致していく体制をとるかということもこのカテゴリーの中に入ると思います。

物というのは、単に地域の特産物というだけでなく、外国人観光客にPRしていく異空間の提供、体験なども含めたサービスというようなコンテンツも含みます。要するに、外国人観光客の支払う対価に対し、何を提供していくのかということであります。

金につきましては、外国人観光客に対してどれだけ経済的負担を軽減していくかということであります。例えば外国人観光客の入場料減額や割引券の発行などは行われているところでありますが、クレジットカードが使える範囲をどれだけ広げるかというようなことも、外国人観光客の便宜を図る上で重要なことであります。

中国のケースでいきますと、先日新聞報道でもありましたように、銀聯カードというのがあるそうでございまして、日本でいうデビットカードのようなものです。中国政府による人民元の現金持ち出し制限により、国外での買い物に制限があるため、このカードを利用すればそれ以上の買い物ができるということであります。中国人の観光客は、この銀聯カードで大きな買い物をされるということです。このカードが使える金融機関はいまだ限られており、カードの読み取り機も必要ということでございます。こうしたカードが使えるようになれば、島根県でも中国人の購買額がふえる可能性があります。こうしたことも金の対策になります。

情報につきましては、観光ホームページ、交通標識、観光案内板、料金表などの外国語表記や外国人観光客案内所の充実、観光施設などの観光スポットにおける情報端末の整備、外国人観光客の持つノートパソコンや携帯端末を使って手軽にインターネットに接続できる公衆無線LANの無料スポットの整備など、外国人にとって苦労なく情報が収集できる対応などを指します。

ほかにも交通アクセスなど、先ほど園山議員が御指摘いただいたような対応もあるでしょうが、知事の外国人観光客誘致のビジョンを受けて、どのような戦略でもって島根県への外国人観光客誘致を推進していく予定か、人、物、金、情報の大きく分けて4つの視点から伺います。

あわせ、どのような推進体制で臨むか、伺います。

(商工労働部長)

次に、人、物などの視点からの外国人観光客誘致の戦略についてお答えいたします。

まず、人については、先ほどもお答えしましたとおり、いわば心のこもったおもてなしの充実だと考えています。そのため、文化や慣習が違う外国人が島根でどういうサポートを望んでいるかをきちんと把握した上で、ガイドや宿泊施設のスタッフなどを育てていく必要があると思っています。

物については、島根ならではの魅力を観光客に提供していくことが必要です。島根独特の深い歴史や文化、伝統美や生活と調和した景観、美しい自然など、自分の国では体感できない新鮮なひとときを味わっていただきたいと考えています。今回の神話博しまねを始めとする神々の国しまねのプロジェクトは、観光客の皆様に島根の魅力を伝えるとともに、県民にとっても改めて島根を見詰め直す機会になるものと考えています。

金については、主要な観光施設の入場料割引制度を設けていますが、さらに島根の伝統工芸品やこだわりの食などをお土産にしていただくためにも、さまざまなクレジットカードが使えるような環境も必要だと考えています。

情報については、外国人の目線に沿った情報を提供していくことが必要です。特に観光地での外国語表記については、市町村や民間事業者と協議連携して、さらに充実させていきます。また、多く普及していますスマートフォンを活用した情報提供にも取り組んでまいります。

こうした取り組みが具体的に外国人観光客の誘客につながるよう、県、市町村、観光協会、観光事業者等で構成するしまね国際観光推進協議会や、鳥取県と広域で取り組みます山陰国際観光協議会での活動をさらに充実させて取り組んでまいります。

5.工場立地法について

工場立地法の改正にともない県の企業誘致に対する姿勢は

(かもと)

続いて、工場立地法などの改正について伺います。

工場立地法の規定により、特定工場については、従来、一律に緑地面積率20%以上、環境施設面積率25%以上を確保するよう義務づけられていましたが、平成23年8月30日に公布された地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律により、工場立地法の一部が改正され、平成24年4月1日から、工場立地の際の緑地面積率等を地域の実情に合わせて市の条例で規定できることとされました。これを受け、全国の各市では、緑地面積率等を緩和し、工場用地の効率的な活用と企業立地の促進を図るため、それぞれの工場立地法準則条例を制定する動きが出ているようであります。島根県においても積極的な企業誘致に取り組んでおられ、環境に配慮しつつも、今起こりつつある島根県への企業進出の流れの兆しを確かなものにして、雇用をふやすチャンスであると考えます。

そこで、県内及び中国地域の他県の市の対応状況はいかがか、伺います。

さらに、改正の内容と市の対応状況についての認識を伺うとともに、環境に配慮しつつ、市が地域の企業との対話を通じ、企業誘致、増設による事業拡張、新規事業創出を積極的に働きかけていく必要があると考えます。今後どのように市に対して働きかけていく意向か、伺います。

(商工労働部長)

次に、工場立地法の改正について、2点あわせてお答えいたします。

今回の改正に伴う県内各地の対応状況については、大田市がことし4月1日施行の条例を制定し、緑地等の面積割合の緩和を実施いたしました。内容は、準工業地域ではこれまで20%以上であったものを10%以上、工業地域、工業専用地域ではこれまでの20%以上だったものを5%以上、その他の地域でも20%以上だったものを5%以上にそれぞれ緩和をいたしております。そのほか、県内では安来市と江津市が条例の制定を検討中というふうに伺っております。また、中国各県の市については、今回の改正で、岡山県と広島県のそれぞれ1市が条例を制定し、いずれも要件の緩和を行っております。

このたびの改正により、工場の新設や増設を行う際に、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能になったと理解しています。現在では大田市のみが制定をいたしておりますけども、県としては、引き続き、必要な助言や情報提供を行うなど、市と連携して地域産業の振興に取り組んでまいります。

6.メガソーラーの誘致について

誘致に向けた意向は

(かもと)

続いて、県内への大規模太陽光発電所、メガソーラーの誘致について伺います。

いまだ国のエネルギー政策については不透明のままですが、安定的な電力を確保していくためにも、温暖化ガスを削減していく上でも、再生可能エネルギーによる発電の普及を図っていかなければならないことは明らかであります。島根県においても、小水力発電やバイオマス発電にこれから力を入れたいということですが、大規模太陽光発電所、メガソーラーについても働きかけを行われているということでございます。

新聞報道では、島根県においては市町村が誘致に向けて候補地を選定し、県がそれを公表して発電事業者の参入を募ると聞いています。メガソーラーの候補地の要件として、1、公有地であること、2、おおむね2ヘクタール以上が使用可能であること、3、20年以上使用可能であること、4、造成や送電線の接続に多額の費用がかからないこと、5、日照時間が適していること、6、塩害、強風の影響を受けにくいことという6点を挙げているということでございます。

県有地についても、対象になり得る土地があると考えますが、どのようにお考えか、伺います。

また、誘致に向けた支援の意向について伺います。

新聞報道では、隣の鳥取県においては、県内に進出する太陽光発電事業者を対象に、発電施設と電力会社の送電線網を結ぶ系統連系の経費を支援する、また発電事業者が県内の金融機関から借り入れた資金の金利について、工事着手から発電開始までの金利分を県が肩がわりすることを検討していると聞いています。島根県においては、誘致策として、今のところ情報提供の域を出ないものと理解しておりますが、県も積極的な誘致に向けた事業を展開する意向はないか、伺います。

(地域振興部長)

私からは、メガソーラーの候補地と、誘致に向けた事業展開についてお答え申し上げます。

メガソーラーを含めた再生可能エネルギーの導入につきましては、6月11日に島根県再生可能エネルギー導入促進協議会を設立し、県と市町村で連携し、情報共有や導入促進に必要な施策などについて幅広く調査研究することとしたところでございます。協議会での議論を踏まえまして、メガソーラーの候補地につきましては、市町村有地ばかりでなく県有地も検討対象とし、7月上旬をめどに、県のホームページを通じて公表する予定でございます。

メガソーラー誘致につきましては、当面は発電事業者への情報提供や相談支援を行うことといたしておりますが、今後、鳥取県など他の都道府県の事例も参考にしながら、発電事業者、特に県内事業者に対する支援、施策について研究をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

7.登下校中の児童を巻き込んだ事故防止について

亀山市などの児童を巻き込んだ事故についての認識は

(かもと)

最後に、登下校中の児童を巻き込んだ事故防止について伺います。

京都府亀岡市や愛知県岡崎市、千葉県館山市で、登校中の児童の列に車が突っ込む事故が相次ぎました。事故に遭われた方々の一刻も早い御回復と亡くなられた方の御冥福を心よりお祈りいたします。

これまで全国的に、学校、地域、家庭、警察などの行政が連携し、事故をなくすための取り組みが幅広く積極的に行われており、その成果として、近年、小学生の登下校中の交通事故による死傷者数は減少傾向にあります。島根県においても、統計の件数が少なく、傾向については言及はできませんが、小学生の登下校中の交通事故による負傷者数は、平成23年までの過去5年間まで見ますと、平成19年の11名から、平成21、22、23年と、10名、9名、8名と減少しております。平成24年も、4月末までは2名と、負傷者が減っていることは何よりでございます。これまでの学校、地域、家庭、警察などの行政の皆さんの努力のたまものではないかと私は思っております。

このような中で、亀岡市、岡崎市、館山市の交通事故が起こったことは、まことに残念でなりません。報道によれば、無免許で居眠りしていた、ぼんやりしていて気づくのがおくれた、慌ててブレーキを踏んだが路面がぬれていてスリップした、仕事のことを考えていてぼんやりしていたなど、一方的な運転手側の落ち度により発生しているケースのように思われがちでございますが、亀岡市のケースでは、現場は児童らが通う小学校近くの府道で、並走する国道9号の抜け道になっており、ふだんからスピードを出す車が多く、PTAや地元自治会から再三安全対策を求める要望が上がっていたとも聞きます。島根県におきましても、このような最近の一連の事故が起こる可能性もあるわけですし、児童の登下校時の交通事故による犠牲者数を可能な限り削減していかなければなりません。

こうした最近の一連の事故を受け、文部科学省、国土交通省両省と警察庁でつくる対策会議の初会合が、5月28日、文部科学省で開かれ、全国の公立小学校を中心に、各学校と市町村、警察が連携して通学路の危険箇所を合同点検し対策を検討するよう求める通知を近く出す方針を決めたという報道を目にいたしました。こうした点検をもとに、これからハード、ソフト面で国が対応すべきもの、地域が対応すべきものが洗い出されていくことと思いますが、亀岡市、岡崎市、館山市とほぼ同時期に続いている児童を巻き込んだ交通事故についての御認識を伺います。

(教育長)

登下校中の児童の交通事故防止についてお答えをいたします。

今回の京都府亀岡市等での一連の交通事故は、登校中の児童等の列に自動車が突っ込み死傷者が発生するという大変痛ましいものでございます。改めて、子どもたちの安全な通学路の確保に取り組んでいかなければならないと認識したところでございます。

(警察本部長)

初めに、京都府亀岡市や愛知県岡崎市などで4月下旬に連続して発生した児童を巻き込んだ交通事故に対しての認識についてでありますが、何ら落ち度のない純真無垢な小学生などが犠牲となった大変痛ましい事故であり、警察としましては、県の将来を担う児童の安全確保は優先的に取り組むべきものであると再認識したところでございます。

児童の登下校中の交通事故防止策、現在と今後の対応は

(かもと)

最近の一連の事故も含めた登下校中の児童の交通事故防止について、現在までどのような対応をされてきたのか、伺います。

また、最近の一連の事故も含めた登下校中の児童の交通事故防止について、今後、県全体としてどのように取り組んでいかれる御予定か、伺います。

(土木部長)

私のほうからは、これまで土木部として対応した登下校中の児童に対する交通事故防止対策についてお答えいたします。

島根県では、県管理道路3,092キロメートルのうち、通学路として指定されていることや、歩行者の交通量が1日当たり100人以上などの要件により、歩道などの優先整備区間1,323キロメートルを抽出し、重点的に整備を進めることで、通学路における児童の安全確保に努めております。通学路対策としては、歩道の整備により歩行者と自動車交通を分離することが最も効果的であると考えますが、市街地などで土地の確保が難しく歩道の整備が困難である場合は、子どもたちが歩く場所をカラー舗装により示すことでドライバーに注意喚起を示すなどの対応をしております。優先整備区間1,323キロメートルのうち、既に1,055キロメートルで歩道などの対策が完了しており、残る268キロメートルにつきましても引き続き安全な歩行環境の整備を進めてまいります。

(教育長)

次に、登下校中の児童の事故防止の現在までの取り組みでございます。

交通事故の防止につきましては、これまでも管理職や学校の安全担当者を対象とした研修会などを実施をいたしまして、安全管理の面では、教職員の意識の向上や学校の組織体制の充実、安全教育の面では、児童生徒自身が自分の身を守るために危険を回避する能力の育成など、こういったことに努めてまいりました。また、各学校におきましては、危険箇所をあらわした安全マップの作成や、定期的な通学路の安全点検、保護者や地域の人による見守り活動など、子どもたちの安全確保に向けた取り組みが行われております。また、今回の事故を受けまして、県内市町村教育委員会、それから県立学校に対しまして、通学路の再点検など、児童生徒の安全確保に向けた取り組みを要請をしたところでございます。

今後の取り組みでございますが、先ほど土木部長から説明がありましたとおり、土木部、警察本部との連携によりまして、通学路における対策の必要な箇所を把握をいたしまして、総合的な必要な安全対策を行うということにしております。以上でございます。

次に、今後の取り組みについてお答えいたします。

京都府亀岡市を始めとする児童を巻き込んだ交通事故を受け、島根県において5月17日に開催されました通学路特別点検に向けた検討会で、教育委員会、警察、道路管理者の3部局が連携し、8月末までに国、県、市町村が管理する通学路の合同点検を実施して、対策必要箇所の抽出を行うこととしました。合同点検の結果、対策が必要と判断された箇所において、学校、PTA、警察などと一緒に、ハード、ソフト両面の対策を総合的に検討し、国、県、市町村が連携して、それぞれ管理する道路において通学路の安全対策が効果的になるように努めてまいります。以上でございます。

(警察本部長)

次に、これまでの登下校中の児童に対する交通事故防止対策について申し上げます。

各警察署においては、学校や地域の要望に応じて、春の新入学期などにスクールゾーンや通学路の点検を、市町村、学校関係者、道路管理者、地域住民などと一体となって行い、交通規制の見直しや道路の改良、補修などの対策を実施しております。また、登下校時間帯を中心とした街頭監視活動や交通安全指導を行うとともに、地域住民や地元ボランティアの協力を得て、通学時間帯の見守り活動など、通学路における児童生徒の安全確保に努めております。これらに加え、児童生徒に対しては、交通安全教育指針に基づき、心身の発達段階に応じた段階的かつ体系的な交通安全教育を実施しているところでございます。

最後に、今後の取り組みについて申し上げます。

児童を巻き込んだ交通事故を受けて、先ほど土木部長の答弁のとおり、通学路合同点検を8月末までに実施することとしております。この合同点検の結果を受けて、交通規制の見直しなど道路交通環境の整備を行うほか、学校、地元ボランティアなどと連携した危険箇所における見守り活動の強化など、ハード、ソフト両面の対策を推進することとしております。

以上

このページの先頭へ